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そして、デビルは彼女の家らしきところに案内された。 それは、少し古くさい家だったが、落ち着いた雰囲気を醸し出していたので、それはそれでいいと思った。 家に入り、椅子に座らされた。デビルは試験者以外の人と話すのは初めてで、緊張して顔が強張っていた。 彼女は軽く作ったシチューをデビルの前に置き、そのまま向かい側の席に座った。 「あんたの名前は確か…デビル・イノセントだっけ?」 デビル「あっ…はい。そうですけど…」 「そう。ならここでゆっくりしてくといいわ」 デビル「あっ…あの…!」 「…何?」 彼女はしかめっ面でデビルの方を振り向く。目つきが鋭いせいか、睨んでるように見えて、デビルはすくんでしまった。 デビル「あなたの…お名前は?」 「………」 芽空「私は三笠樹 芽空(みかさぎ めあ)よ。…よろしく」 デビル「あっはい。よろしくお願いします」 芽空「あと、私敬語嫌いだから外して」 デビル「あっ…うん…!」 デビル「…それで、さっき、『ちょうどよかった』って言ってたけど…どういう意味なの?」 芽空「…指名手配者なら、私のとこにしばらくいればいいわってこと。それだけ」 デビル「……普通お金の為に捕まえるんじゃ…」 芽空「……」 芽空「私さ、あの施設大っっっっ嫌いなの」 芽空「意味ないわよ。あんなことしたって…」 デビル「…もしかして……卒業生…?」 芽空は少し黙り、しばらくしてから口を開けた。 芽空「……脱出、してきたの。あそこから」 芽空「だから、私は卒業してないし、弱いわよ」 デビル「………じゃあさ!」 急に大声を上げるデビルに、芽空はぴくりと体を震わせ、こちらを振り向いた。 芽空「ちょっと…急に大声出さないでよ。…何?」 デビル「私たちで、施設の卒業生とかを助けようよ!!」 デビル「だって、卒業したりとかした人たちはみんな…一般人を殺してるんでしょ…?」 芽空「…そう、だけど…でも、あれはアスカの命令よ?逆らえるわけがないから、みんな従ってるだけ」 デビル「だから!!そのアスカを、頑張って倒そうよ!」 目をキラキラと輝かせるデビルに、芽空は口を開けたまま放心していた。 芽空「……はぁ。あんた、何も知らないのね」 芽空は呆れてため息を吐いた。 デビル「……へ?」 芽空「アスカはね。この世の発掘された全部の宝石を取り込んでるの」 芽空「勝てるわけないでしょ?無謀よ無謀。」 芽空は笑いながら右手を左右に振った。デビルは、それでもまだ諦めておらず、口をプクリと膨らませた。 デビル「〜〜〜…でも!!施設から出た人たちならきっと__」 芽空「無理ね。あんたも卒業してないし、私は卒業してない上に弱いし。卒業生に勝てるわけないわ」 初めから全てを諦めている芽空に、デビルは少しイラつきを覚えた。 何度も挑戦すれば、きっとなんとかなるのに… デビル「………」 デビル「…そんな無理無理言ってちゃ、いつまで立っても何もできないままだよ?」 芽空「無理なものは無理。高すぎる壁は諦めなきゃダメでしょ。普通に考えて」 デビル「だから頑張るんじゃん。少しずつ、少しずつ積み上げて、その高すぎる壁を容易に越えられるぐらい、努力すればいい。」 デビル「やるだけやってみようよ!これも経験でしょ?」 デビルは明るく笑顔でそう言い、芽空の肩をポンポンと軽く叩いた。 芽空「…………」 芽空「…一回だけよ。それで無理だったら、私はあんたを見捨てる。」 芽空は少し辛そうな顔をして、そっぽを向いた。 __尚、デビルはそんな芽空の異変に全く気付かなかったようだが。