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ある電波塔の上で。 黄色のパーカーに、太ももまで折り曲げた淡い青色のハーフパンツ。 首にかけた星のネックレスが風に揺れている。 色素が少し薄い茶髪を風に乗せ、金色の瞳を細める。 __まるで夜空に輝く星のような人だ。 ???「……デビル・イノセント………」 ???「どうしてこんなところに…」 星が光を失ったような、そんな光のない瞳で上から見下ろす。 ???「…………従わなきゃ。たとえ、その子がいい子だとしても。」 ???「ごめんね。でも、私は…何もしてあげられないの。」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 芽空「…それで?協力するとはいえ、何をするのよ」 芽空は不機嫌そうにソファに腰掛け、足を組んだ。 デビルはすっかり彼女の家に慣れ、芽空の隣にさりげなく座る。 デビル「うーん………」 デビル「…まずはさ、卒業生の人たちにいろいろ聞いてみない?」 芽空「……何を?」 デビルの提案に、芽空は珍しく前向きな姿勢で聞く。 デビル「……アスカのことは、どう思ってるのか…とか。」 芽空「………」 芽空「…そう易々と聞けるのかしら。まずあの施設にいて聞けるくらい明るい人いんのかな…」 芽空のマイナス発言とは裏腹に、デビルは空回りするくらい元気に言った。 デビル「ま!やってみるっきゃないっしょ!!」 芽空「…ほんとあんたのそのポジティブさってどっから来てんのよ…」 芽空「…まぁ、一度は協力するって約束したもんね」 芽空「いいわよ。それでいきましょう」 デビル「やったー!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 芽空「…まずは探さないと話にならないわよね」 デビル「そだよね」 芽空「……でもあんた一応指名手配者なんだからね。気をつけなさいよ」 デビル「うん」 デビルがうなづき、人気のない道を二人で歩いている時… https://www.icloud.com/notes/0e7GWqb7h9BLAIM-lJd6WddOA ある電波塔の上で。 黄色のパーカーに、太ももまで折り曲げた淡い青色のハーフパンツ。 首にかけた星のネックレスが風に揺れている。 色素が少し薄い茶髪を風に乗せ、金色の瞳を細める。 __まるで夜空に輝く星のような人だ。 ???「……デビル・イノセント………」 ???「どうしてこんなところに…」 星が光を失ったような、そんな光のない瞳で上から見下ろす。 ???「…………従わなきゃ。たとえ、その子がいい子だとしても。」 ???「ごめんね。でも、私は…何もしてあげられないの。」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 芽空「…それで?協力するとはいえ、何をするのよ」 芽空は不機嫌そうにソファに腰掛け、足を組んだ。 デビルはすっかり彼女の家に慣れ、芽空の隣にさりげなく座る。 デビル「うーん………」 デビル「…まずはさ、卒業生の人たちにいろいろ聞いてみない?」 芽空「……何を?」 デビルの提案に、芽空は珍しく前向きな姿勢で聞く。 デビル「……アスカのことは、どう思ってるのか…とか。」 芽空「………」 芽空「…そう易々と聞けるのかしら。まずあの施設にいて聞けるくらい明るい人いんのかな…」 芽空のマイナス発言とは裏腹に、デビルは空回りするくらい元気に言った。 デビル「ま!やってみるっきゃないっしょ!!」 芽空「…ほんとあんたのそのポジティブさってどっから来てんのよ…」 芽空「…まぁ、一度は協力するって約束したもんね」 芽空「いいわよ。それでいきましょう」 デビル「やったー!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 芽空「…まずは探さないと話にならないわよね」 デビル「そだよね」 芽空「……でもあんた一応指名手配者なんだからね。気をつけなさいよ」 デビル「うん」 デビルがうなづき、人気のない道を二人で歩いている時… ズドーンッ デカい音が鳴った。見れば、目の前の地面に小さい穴が空いている。しかもその穴は焦げて黒くなっていた。 デビルと芽空は一つの気配を感じ同時に上を向いた。 そこにいたのは_____ ???「………デビル・イノセント……」 芽空「……その声は…」 芽空「…あんた、ルネ・トパーエスね」 ルネ「……その名前で呼ばないで。私はNo.117よ。」 芽空「………そう」 芽空は身の危険を感じ、デビルの前に手を広げた。 ルネ「…No.3011とNo.390…」 ルネ「……No.3011は連れてこいって言われてるの」 ルネ「……だから…大人しくしてて」 上から殺意まみれの視線を浴びせられている。 芽空「……デビル。やるわよ」 デビル「……っ…うん…」 ルネ「…」 タンッと芽空は空高く飛び、風の斬撃を飛ばす。 ルネはそれを正面から受け止め、手だけでその斬撃を傷一つつけずに威力を消した。 芽空「…嘘でしょ…っ」 ズガンッ 空から急降下する芽空に追撃するように、芽空の背中に雷を打ちつけた。 芽空はその威力に抵抗できずに地面に叩きつけられた。 デビル「芽空ちゃん…っ!」 デビルは咄嗟に芽空の方に駆け込む。 ズドンッ デビル「…んぐっ…」 人間の程度では、光速に追いつけるほどの反射速度などない。 卒業生ならまだ可能性はあったかもしれないが、デビルはまだ卒業すらしていない。 __この勝負、勝てるわけがないのだ。 ルネ「……あとは…捕まえればいいだけ…」 ルネは一仕事を終え、ため息をついた。 電波塔の上から飛び降り、ストンッと軽快な音を立てて綺麗に着地する。 デビル…ではなく、芽空にトドメを刺すため、手に力を込める。 ルネ「………っ」 ルネ「…指名手配者を守る…相当いい子なんだ…よね」 ルネ「………すみません…アスカ様」 ルネ「私には……無理です」 ルネはそう呟くと、二人に背を向けて電波塔に向かって再び飛んでいった。ズドーンッ デカい音が鳴った。見れば、目の前の地面に小さい穴が空いている。しかもその穴は焦げて黒くなっていた。 デビルと芽空は一つの気配を感じ同時に上を向いた。 そこにいたのは_____ ???「………デビル・イノセント……」 芽空「……その声は…」 芽空「…あんた、ルネ・トパーエスね」 ルネ「……その名前で呼ばないで。私はNo.117よ。」 芽空「………そう」 芽空は身の危険を感じ、デビルの前に手を広げた。 ルネ「…No.3011とNo.390…」 ルネ「……No.3011は連れてこいって言われてるの」 ルネ「……だから…大人しくしてて」 上から殺意まみれの視線を浴びせられている。 芽空「……デビル。やるわよ」 デビル「……っ…うん…」 ルネ「…」 タンッと芽空は空高く飛び、風の斬撃を飛ばす。 ルネはそれを正面から受け止め、手だけでその斬撃を傷一つつけずに威力を消した。 芽空「…嘘でしょ…っ」 ズガンッ 空から急降下する芽空に追撃するように、芽空の背中に雷を打ちつけた。 芽空はその威力に抵抗できずに地面に叩きつけられた。 デビル「芽空ちゃん…っ!」 デビルは咄嗟に芽空の方に駆け込む。 ズドンッ デビル「…んぐっ…」 人間の程度では、光速に追いつけるほどの反射速度などない。 卒業生ならまだ可能性はあったかもしれないが、デビルはまだ卒業すらしていない。 __この勝負、勝てるわけがないのだ。 ルネ「……あとは…捕まえればいいだけ…」 ルネは一仕事を終え、ため息をつい
えんけんばんせんとうしーん
ドオォッン!! 砂埃が舞い、視界が定まらない。 何事かと焦っていると 「……デビル・イノセント…」 ……何者かの声が、聞こえた。 特徴的な声だった。美しい、冷徹な、 恐ろしい、でもどこか切ない声だった。 芽空「……その声…」 芽空が、口を開く。 芽空「あんた、ルネ・トパーエス、ね」 ルネ「その名で呼ばないで。私はNo.117。」 芽空「そう、残念だわ。」 芽空は身の毛がよだつ感覚に襲われていた。 潜在意識なのか、分からない。しかし、デビルの前に 手を広げ、護るような体制をとる。 それを視るルネの目は、冷徹だった。 ルネ「私はそれ…」 ルネは人差し指で私の方を指す。 ルネ「No.3011を連れて来いって言われてるの。」 ルネ「だから貴女…No.390、貴女に用はない。」 ルネ「大人しくしていて。死にたくなければ。」 殺気まみれの眼を向けられる。 デビルが息が詰まるような恐ろしい恐怖に見舞われる中、芽空は冷静に、ルネを凝視していた。 芽空「……デビル。協力するって言ったのはあんた。」 芽空「……やるわよ、」 デビル「ッ……!……うん、!」 ダッッ 芽空は左へ、デビルは右へバックステップをとる。 着地した地点はコンクリート。 デビルは力を込め、前へスタートを切る。 芽空はタンッと軽やかに宙へスタートを切り、空を舞っている。風の斬撃を飛ばした。 しかし、ルネには傷1つ付いていない。 __芽空の目が、焦りを見せた。 芽空「嘘ッ……でしょ、……」 ズシャァァッッ!! 轟音が鳴る。追撃を喰らわすかのように ルネは芽空の背中に雷の斬撃を入れる。 芽空「ぐ、ッッッ……!!」 更にその重みに耐えかねた芽空の身体が、 激しくコンクリートに激突した。 芽空「かは、ッッ……、!?」 芽空は所々から出血していた。誰が見ても重症だ。 デビル「芽空ちゃんッッッ!!!」 デビルは芽空の元へと駆け寄る。 その判断は、間違っていた。 ルネが、デビルに一撃を入れた。 デビル「ぁ゛が ッ……!??!」 デビルは判断を、見誤った。 ストッと可憐な着地をし、意識を手放した2人に近づく。その眼は先程までと違い、何処か悲しげだった。 芽空を完全に無力化するため、ルネは手に力を入れる。しかし、その手は何故か震えていた。 ルネ「……この子…指名手配を護る、 いい子なんだよね……、」 ルネ「ッッ……すみません、…アスカ様。 私には……出来ません……。」 そう言ってルネは2人を背に向け、飛んで行った。 その背中はどこか、哀愁が漂っていた。