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丈一郎side
恭平も朝ご飯食べたばっかやし‥ってことで 大吾が5人分の炒飯を作ってくれた。 和也のことほっとけんからみんなには先に食べてもらい、 俺はソファーで2人の様子を見ている。
和也
こんな時でも俺を気遣う優しい和也のおでこを 親指でさすると冷えピタはもう乾いちゃってて改めて 熱の高さを実感する。
丈一郎
和也
冷えピタを変えてやると、和也は疲れたと言って 苦しそうに目を瞑っていた。一応ポケットの中から パルスオキシメーターを出して測ってみると 正常値でホッとする。 ふと隣を見ると恭平も安心したようにすやすやと眠っていた。
丈一郎
今までいつもニコニコしとる和也の姿しか見たことなかったから 正直焦った。‥そういや和也が風邪引いたからって 恭平だけ預かること何回かあったし、身体弱いんかな。 あと喘息。叔母さんはハウスダストとか動物の毛とか 気をつけてるって言ってたっけ、今思えば発作を 誘発させんようにってことやったんかな。 子供の場合、喘鳴が聞こえんこともあるから 今回聴診してなかったらきっと和也の喘息に 気づくのはもっと先になってた。 命に関わるかもしらんかった。
振り返れば、従兄弟やけど和也のこと全然知らんくて、 そんな自分にイライラする。叔母さんはもうおらん、 これからは俺が守ってやらんと‥。すぐに対処してやれなかった という自己嫌悪や、こいつらを守っていく責任の重さ、 将来に対する少しの不安、いろんなものが渦巻いて 押し寄せてくる。
大吾
急に肩を叩かれ、驚いて顔を上げると心配そうに 俺を覗き込む大吾。
丈一郎
大吾
丈一郎
ソファーから立ち上がり、 入れ替わって座った大吾に和也を預ける。 ん、と唸って身動いだがトントンしてると 安心したようにまた眠った。大吾は小学校が午前中で終わる日は 半休で帰ってきて家事をしてくれてる。‥ほんとこいつには 迷惑かけっぱなしや。
大吾
下を向いたまま唇を噛んで絞り出したように呟く。 顔を上げるとどんどん涙目になっていき、一滴頬を伝う。
丈一郎
大吾
大吾の言葉で俺の中で渦巻いてたものがスッとなくなって 心が軽くなった。
丈一郎
大吾
まだ完全には涙止まってないけど、かわいい八重歯を 見せて笑う大吾。
流星
丈一郎
まだまだ下の子らは小さいし、 大きな壁にも直面するやろうけど、7人で支え合っていこうな。