不良が恋して何が悪い

静まり返った教室の椅子にそっと座り今日の出来事を一旦振り返る。 1日で考えると今日なんてまだ始まったばかりなのに内容が濃すぎて頭が追いつかない。

久しぶりに人と触れ合ったこと。 久しぶりに人の愛情に触れたこと。 あの時以来ずっとしまっていた恋心の引き出しをもう一度開けたこと。 自分の想いを他人に真剣に伝えたこと。 好きな人と付き合ったこと。

一つ一つが俺にとって久しぶりの体験で思い返すだけで顔が熱くなりどこか興奮しているのがよく分かる。

ほんとにあいつは俺の事を捨てないのだろうか…。 また元カレみたいに俺を捨てるかもしれない。 青に遊ばれてるだけかもしれない。

そんな事を考えていると俺の目の中にはどんどん水が溜まっていき、溢れ出してしまう。 ひとりの教室で机に伏せ涙を流す。

がらがら

誰が来たのかと内心凄く焦った。 だが、青だと分かり少し安心した。 青にはバレないように静かに涙を拭う。