コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
使用人
実弥がベッドの上で勉強をしていると、使用人が具合を聞いてきた。
この間、急に倒れてしまったので、心配をかけているようだ。
不死川実弥
まあ、倒れたといっても、熱が出たわけではないし、もう、頭痛もしない。
不死川実弥
「あいつ」
それは、この屋敷の当主の子、冨岡義勇のことだ。
義勇は、実弥の前世の同僚だった。
だが、今は、義勇の方が立場は上で、実弥はそれに仕える側だ。
義勇は、病弱で、実弥が倒れるのとほぼ同時くらいに酷い頭痛を訴え、今は、主治医が付きっきりで看病しているらしい。
(きっと、冨岡も前世を思い出したんだろォ。)
使用人
不死川実弥
「執事様」というのは、実弥の父親のことだ。
実弥の父親は、義勇の父親に仕えている。
使用人
そう言って、使用人は、部屋を出ていった。
それから、実弥は、用意をして、父親に会いに行った。
父曰く、「そろそろ、義勇様と会って関係を築いてこい」とのことだった。
実弥の父親は、実弥が義勇と会ったことを知らない。
不死川実弥
そんなことを考えていたら、あっという間に義勇の部屋に着いた。
コンコンッ
不死川実弥
冨岡義勇
中から、返事があったら、手順通りに扉を開く。
中には、ベッドの上に身体を起こした義勇と、その側に主治医がいた。
義勇は、まだ辛いのか、少し荒い呼吸を繰り返している。
冨岡義勇
義勇は、形の良い眉をハの字にきて、優しげに笑った。
妙に大人びている笑みだった。
冨岡義勇
すぐ、義勇は、主治医の方を向いて言った。
主治医は、少し戸惑ったような表情をしたものの、「御意」と言って部屋を退室した。
冨岡義勇
主治医が部屋を出ていったのを確認してから義勇が言った。
不死川実弥
冨岡義勇
不死川実弥
形式通りの口調、形式通りの振る舞い。
それが気に入らないのか、義勇は、困ったように眉を寄せた。
冨岡義勇
不死川実弥
やっぱり思い出していた!
それが嬉しくて、思わず、口々に笑みを浮かべる。
不死川実弥
冨岡義勇
そう言って、2人は、笑い合った。