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捻挫をした部活後、僕がボールを片付けようと、左足を気遣いながら体育館倉庫に入ろうとした時、こそこそと話し声が聞こえてきた。
同級生1
同級生2
ショウヤ
僕は耳を疑った。わざとだって?
ショウヤ
タイシ
僕は我慢できず、会話に乱入した。
ショウヤ
タイシ
ショウヤ
タイシ
ショウヤ
ショウヤは僕の髪を掴んで顔を近づけた。
タイシ
その瞬間、ショウヤは僕をそのまま後ろの跳び箱に押しつけた。
ショウヤ
その時だった。
同級生1
ショウヤ
ショウヤたちは体育館を後にした。
コーチ
タイシ
コーチ
コーチはそう言うと外へ歩いて行ってしまった。その後ろ姿に頭を下げ、僕も体育館を後にした。
怪我は全治一か月、部活にもドクターストップがかかった。
毎年キャプテンを決める模擬試合はこの高校のバスケ部員だけで行う。
参加できなくても部活に行った。ショウヤはそんな僕をからかってくる。
ショウヤ
ショウヤはにやっと笑って練習に戻っていった。
後輩
声に気がついて前を見る。
後輩
タイシ
後輩
二年生たちは不服そうな顔で僕を見つめる。同じチームの一年生たちも、遠くから僕のことを見つめていた。
タイシ
後輩
僕は気づいた。
タイシ
後輩
タイシ
模擬試合当日、治った足で堂々とコートに立つ。
ショウヤ
タイシ
まずショウヤたちの試合が始まった。僕は相手チームが明らかに手を抜いていることに気づいた。
ハーフタイムに入ると、ショウヤと相手チームのリーダーが話しているのが聞こえてきた。
ショウヤ
同級生2
試合再開後、点差五十点でショウヤのチームが勝利した。楽しんでいるのは両チームのリーダーだけだった。
僕たちの一回戦が始まった。同級生がやたらと僕にぶつかろうとしてくる。徹底的に僕を潰すつもりらしい。危険を感じた僕はベンチの二年生と交代した。
ショウヤ
タイシ
ショウヤ
ショウヤはどこかへ行ってしまった。
ハーフタイムが終わった終盤、まだ両チームとも点は入っていない。
ショウヤ
残り三十秒、二年生のスリーポイントシュートが決まり、僕のチームが勝利した。
ショウヤ
ショウヤは後輩たちにも挑発していた。僕は怯える後輩たちに歩み寄った。
タイシ
僕たちの実力はほぼ互角だ。同点のままハーフタイムに入った。
ショウヤ
タイシ
ショウヤ
試合再開後、徐々にショウヤのチームが押しはじめた。二点差のまま残り三十秒、シュートをしようとする僕の目の前にはショウヤがいた。
ショウヤ
僕はシュートの構えをした。ショウヤがそれに反応して手を伸ばす。それを確認した僕は瞬時にかがみ、回れ右で後ろにパスをした。
ショウヤ
タイシ
スリーポイントエリアで待機していた二年生がシュートを打つ。ブザーの音とともにゴールに入る音が体育館に響き渡り、僕らのチームの優勝が確定した。
試合終了後、体育館の隅でショウヤが僕を怒鳴りつけてきた。
ショウヤ
タイシ
僕の言葉にショウヤは下を向いて拳を震わせていた。
ショウヤ
それを聞いたコーチがショウヤと僕の肩に手を置く。
コーチ
僕はショウヤと顔を見合わせた。
タイシ
ショウヤ
後輩たちから拍手が湧き起こり、歓声と賛成の声が上がった。