…
…
…
約10年前
朝7時2分
司の部屋
幼き司
司は苦しげに寝ていた
幼き司
幼き司
幼き司
幼き司
司は鋭い痛みを感じた
幼き司
ぼふっ
司はベッドにまた倒れた
幼き司
司は熱を出していた
幼き司
司は急激に寂しくなった 誰かに傍に居てほしいと思った
幼き司
時刻は7時10分
コンコンっ
天馬母
幼き司
天馬母
天馬母は司の様子が可笑しいと思い、部屋に入った
ガチャ
扉を開けた先には司が苦しそうにベッドで横になっており、顔は少し赤く、 呼吸は運動後の様に乱れていた。
天馬母
天馬母
幼き司
天馬母は司のベッドまで行き、司の額に触れた。
天馬母
幼き司
天馬母
司は少し期待していた。 もしかしたら今日は家に、司の近くに居てくれるのではないかと。 心配してくれるのではないかと。 だが実際は、
天馬母
幼き司
母がじっとこちらを見ている。 司は知っていた。こういう時は、 言葉で言われなくても察しなければいけない。母が望む答えを。
幼き司
天馬母
幼き司
幼き司
天馬母
幼き司
幼き司
ガチャン
幼き司
それから数分も経てば、家から物音がする事は無くなった。
幼き司
幼き司
幼き司
幼き司
親と一緒に居る。そんな普通な事も、司には叶わなかった。 誰しもが経験する事を、司は親の温もりを、優しさを、大切さを、感じる事が出来なかった。
母に、父に向かって伸ばした手が届く事はない。 伸ばした先にあるのは、誰も居ない空間。温かさも、人の気配も何も無い。
それを実感した司は、どうしようも無く、虚しくなった。寂しくなった。 苦しくなった。悲しくなった。 体調を崩した時は、より一層人肌が恋しくなる。そんな時にまた、1人を実感し、もう2度と体調を崩したくないと司は強く思った。
幼き司
幼き司
ポロっボロボロっ
とうとう司は泣き出してしまった。 静かに泣いた。声を押し殺して泣いたはずなのに、この「誰もいない」 空間では、司の声はよく響いた。
数十分泣いて、涙は止まった。
幼き司
幼き司
幼き司
幼き司
そして司は、もう一度暗闇の中に沈んだ。
現在
司(俺)
司はベッドから起き、机に座った。
司(俺)
そして、ペン立てに入っている、 カッターを取った
そのカッターを自身の腕に宛て、 力を込めて、思い切り横にスライドさせた。すぐに腕に赤い線が出来、 赤い液体が溢れてきた。 だが司は気にする事なく、何度も 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も 同じ事を繰り返した。
司(俺)
司(俺)
司の腕はもう、他に赤い線をつくる場がないぐらい、赤に染まっていた。 いつもなら辞める所を司は、
司(俺)
また、右腕にも同じ事を繰り返した。
司(俺)
司(俺)
ポタっポタっポタっ
司の腕と地面は、真っ赤に染まり、肌の色なんて見えなくなっていた。
寝る前までの頭痛も、吐き気も、 目眩も、今やった事の、少しは感じていたイタミも。一生消える事はないと思っていた心の中にあった、苦しみ、 寂しさ、辛さ。 もう、何も感じない
司(俺)
司(俺)
司(俺)
司(俺)
司(俺)
コメント
12件
司くん、救われてくれって思ってるけどボクの、心の中に救われないで闇に落ちて 欲しいって思ってる( ;-; )