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秋奈
優
晴香
優
秋奈
優
晴香
優
秋奈
優
晴香
秋奈
優
晴香
優
秋奈
優
晴香
秋奈
優
晴香
優
秋奈
優
晴香
秋奈
優
晴香
優
秋奈
晴香
秋奈
優
優は、自分の墓の前で手を合わせるふたりを見ながら、墓石を撫でた。
優
次に、自分の好きな色の花に、指先でそっと触れた。
優
気づかれることのなかったもう一つの花言葉。
優
自分の死を悟ったその日に、蚊の鳴くような声で、なんとか言えた言葉。
優
気づかれることもないかと思った言葉は、友人の耳に届いてくれたらしい。
秋奈
優
晴香
優
晴香
優
秋奈
優
ほんとは知っていたけれど、嘘をついた。
秋奈
晴香
秋奈
晴香
優
秋奈
ふたりが盛り上がるなか、私は1人複雑な表情を浮かべていた。
優
いつ買うか、とか、いくらぐらいするのか、そんな話で盛り上がっている2りを見て、申し訳なくなった。
優
2人には、言っていなかった。
優
優
お墓に勿忘草を供えたその時が、きっと。
秋奈
私の伝えたい花言葉が、一番深く、深く、
晴香
胸に、刻まれてくれると信じて。
秋奈
「私を忘れないで」
晴香
その言葉も、私の存在も、忘れずに。
秋奈
残ってくれていると信じて。
優
…でも。
優
優
目の前で話している大好きな友人達を見ながら、つぶやく。
優
優
届いて欲しかった、自分では直接言えなかった言葉。
秋奈
晴香
優
遠ざかっていく親友の後ろ姿に、祈るように言葉を投げかけた。
優
これが、暑い暑い夏の日の出来事だった。
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秋奈
沙耶
秋奈
沙耶
秋奈
沙耶
秋奈
沙耶
秋奈
沙耶
秋奈
わたしを、わすれないで
秋奈
私たちに、これを伝えたかったの?
秋奈
秋奈と晴香のトーク
秋奈
晴香
秋奈
晴香
秋奈
晴香
秋奈
晴香
秋奈
晴香
秋奈
晴香
秋奈
晴香
秋奈
晴香
秋奈
秋奈
晴香
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優
いつも友人が歩いてくる道を見ながら呟く。
優
誰にだってやらなくてはいけないことはたくさんある。来れなくても仕方の無いことなのだ。
優
今年はもう、と諦めて、後ろを振り返る。
優
お墓に来た時から、周りに自分のような霊はいなかった。
優
ポツリと呟いた言葉は、誰にも知られることなく空に溶けてゆく。
優
この体では暑さもわからないが、道行く人たちが時折顔を手で仰いだりするあたり、きっと暑いのだろう。
優
ふと、花を持つ2人組に目がいった。
優
優
自分の墓に辿り着いた2人に近づく。
晴香
秋奈
優
秋奈
優
晴香
優
秋奈
優
あなたを忘れない。
優
秋奈
晴香
優
秋奈
晴香
そう言って笑うふたりに、私もこたえる。
優
頬を伝っていく涙を拭いながら、何度もお礼を言った。
優
周りの景色がどんどん薄れていく。
秋奈
二人のくれた紫苑が、目の前を覆う暖かい光に邪魔されて、見えなくなっていく。
晴香
自分の体が、空に溶けてゆくのを感じる。
優
最後にお墓に残されたのは、今は亡き少女ではなく、美しい紫苑の花だけだった。