この物語はフィクションです
..俺は、生まれたときから
体が弱かった
..先生にもそう長くないと言われた
..でも、こんな俺でも
誰かの役に立ちたくて、
ドナーを決意した
7月9日
今日は雨だ
梅雨の蒸し暑い湿気が
肌に触る
俺の病室は俺のベッドと、
余っているベッドがもう一つある
今日から、新しい患者が入ってきた
見た感じ、俺と同い年くらいの人だった
きんとき
スマイル
青い瞳に、目の下のほくろ
肌は白くて睫毛も長い
人形のように綺麗な人だった
これが俺と君の初めて出会った日
彼はきんときという名前らしい
俺と同い年、14才だそうだ
きんとき
きんとき
スマイル
ドナーのことは言わないことにした
きんとき
スマイル
きんとき
きんとき
きんとき
きんとき
この時俺は、きんときのドナーなんだということに気づいた
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
..いつの間にか、そんな言葉が出てきていた
..ここで俺は初めて、こんな感情を持った気がした
7月10日
きんときにお見舞いが来た
ダンッ
ナカム
ナカム
ブルーク
きんとき
きんとき
きりやん
シャークん
きんとき
きんときはよく笑う
..でも、その笑顔はどこか
..悲しそうで、寂しそうな感じがした
ナカム
ナカム
きんとき
きんとき
きんとき
ナカム
そういって少し経つと、手を振りながら帰っていった
あの人達が帰った後、
名前を教えてもらった
まず、パンダのパーカーを被った人をナカムというらしい
次に、同い年とは思えない一番背の高い人をブルークというらしい、
そして、あの中で一番背が低くて、歯が少しギザギザしている人を、シャークんというらしい、
最後が、眼鏡をかけていて、髪が黄色の人をきりやんというらしい、
あの4人は、昔から仲が良く、幼馴染らしい..
7月11日
朝6時
今日は快晴だ
きんときはまだ寝ている
梅雨も終わりに入り、
夏の朝は涼しいような感じがして、
風が肌を触る
病室の窓から見た景色を
スケッチブックに残した
..俺は一足先に検査をしに病室を出た
検査をしに行くと、
医者から
臓器を提供する手術の日を
を告げられた
きっとその日にきんときも
手術するのだろう
病室に戻ると
きんときは起きていた
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんときはどう思うのだろう..
ベッドに戻ると
絵を描いていたスケッチブックの横に
紙が挟まっていた
「絵、上手だね!」
そう書いてあった
..初めて褒められて
自然と笑顔が溢れた
少しすると、きんときが検査から戻ってきた
きんとき
スマイル
気になって聞いてみた
スマイル
きんとき
きんとき
スマイル
..きんときには俺の分まで、一緒に生きてほしい、
だから、心の底から願った
手術が成功して欲しいって、
スマイル
きんとき
きんとき
笑いながら、答える君は
とても、綺麗だった
..朝起きると君は居なくて
スケッチブックが置いてあった
凄く、綺麗な絵だった..
今、君はいなかったから
紙に書いて、挟んだ
少し経つとスマイルが戻ってきた
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
スマイルは一瞬不安そうな顔をした
医者から告げられた
心臓を移植する手術の日を
..正直言うと、
怖かった、..
..もし、失敗したらって、
家族にも沢山のお金が掛かるし、
ナカム達にだって不安にさせてしまう、
..ドナーの子にはどう謝罪すれば良いのだろうと、
ドナーの子の命も、勿論俺の命も
..失敗するとその分、色々な人達に大きな負担や、迷惑も掛かってしまうから
..でも、それでも俺は受ける、
皆の思いに、答えるために、..
きんとき
スマイル
..スマイルは、心配した顔で
検査の事を聞いてきた
スマイル
何故か、申し訳なさそうな顔をして、
..ここで言わなくても、いつかは、バレてしまうから
きんとき
きんとき
スマイル
スマイルは少し不安そうな顔だった
そして、君から
スマイル
いつもより張った声で
心の底から笑ってるスマイルは
とても、可愛らしかった
さっきまで重かった心が軽くなって
自然と頑張れる感じがした
きんとき
きんとき
これが、君と俺の始まりだった
コメント
6件
良きですね〜!☺️💞 knsm推しペアだから尚更好きです🥰 語彙力豊富で内容がすらすらと頭に入ってくる…! 続き楽しみにしてます✨