生き続ける

7月27日

8月4日は花火大会があるらしい

俺は花火を見たことがない

きんときから花火大会に誘われた

正直とても嬉しかった

花火を見たことがなかったし

きんときの隣で花火を見れることが

花火とはどんなものなのか

きんときと一緒に見てみたい

そう思った

8月4日

今日は花火大会の日だ

でも、あまり体調が良くなかった

だから、薬を飲んで誤魔化せば大丈夫だと思った

俺は少し歩くとすぐ倒れてしまう

だから、車椅子で移動することにした

花火という物はとても綺麗で

火が飛び散って

また、次の火が大きく飛び散っていく

大きな音を鳴らして

青色の花火は貴方のようでそれはとても

そう思った

優しく微笑むきんときの笑顔は

俺の記憶に焼き尽くされていた

花火が終わって病室に戻ってきた

その言葉は俺にとって返事が出来なかった

俺は今日が待ち遠しかった

スマイルと初めて見る花火

来年、見れるかも分からない

だからこそ、スマイルとの思い出を作りたい

そう思った

スマイルが花火を見る横顔は

とても

そう思った

この時、いや初めて会った時から

俺は、スマイルのことが

好きなんだと思った

急に頭が痛くなってきた

体調が悪化してしまったのだろうか..

きんときに迷惑はかけたくない

ちょっとした気遣いも

優しい所も

俺はきんときが好き

そう思った

誰にもバレないように

病室を出て少ししたところで

薬を飲んだ

効き目が来るまで

もう少し経ってから病室に戻ろうと思った

少し時間が経っても効いてくる様子はない

むしろ、悪化している感じがした

今帰ればきんときに迷惑かけてしまうかもしれない

でも、もうすぐ消灯の時間だ

そろそろ、病室に戻らなきゃ行けない

あまり悟られないように

いつも通りの俺で戻ろう..

きっと大丈夫..

もう少しで消灯だというのに

スマイルが帰ってこない

一緒に付いていった方が良かったと後悔している、

そんな事を思って廊下に出ようとした時

ガラガラ

スマイルが戻ってきて良かったと思ったけど

少し、顔色が悪い気がした

スマイルが嘘を付いているとすぐ分かった、

少しするとスマイルは寝てしまった

もっと、早く気付いてたら

悪化しなくて済んだかもしれないのに..

気付けなかったことに後悔している、

一応、スマイルの体温を測ることにした

ピピｯ

、39℃...高すぎだろ、！

よく、平常心で居られたな..

明日はゆっくりしてもらわないと..

おやすみ、スマイル