第5話
「構われるの、嫌いじゃないかも」
💛💜
🔞要素無
春の風が、少しだけ暖かくなってきた昼休み
照はいつものように教室で参考書を開いていた
誰とも話さず 静かに時間を潰すのがいつものスタイル
でも、そんな空間に、 今日も“ふっか”が当然のように現れる。
深澤 辰哉
やっほー照っ!
お昼、一緒に食べよ!
お昼、一緒に食べよ!
岩本 照
…なんで毎日来んだよ、
深澤 辰哉
照と居ると楽しいから?
岩本 照
俺、ほとんど喋ってねぇけど
深澤 辰哉
でも、ちょっとずつ喋る
ようになってきたしー?
ようになってきたしー?
岩本 照
……はぁ、
ふっかは、自分の机を照の机にピタッとくっつけ 持ってきたお弁当箱を開けながら笑った。
深澤 辰哉
てかさ、照ってほんとは
優しいでしょ?
優しいでしょ?
岩本 照
…どこが
深澤 辰哉
ペン落とした時、誰よりも先に拾ってくれたじゃん。
深澤 辰哉
無言なのにめちゃくちゃ気づいてる感じでさぁ…
岩本 照
……あれは、目の前に落ちたからつい拾っただけ。
深澤 辰哉
そういうの、優しいって
言うんだよ 笑
言うんだよ 笑
ふっかは笑って、おかずをひとつ差し出した。
深澤 辰哉
ほら、唐揚げ食べてみ?
めちゃ美味いよー?
めちゃ美味いよー?
岩本 照
いらねぇよ…
深澤 辰哉
素直じゃないなぁ…笑
岩本 照
……
照はぶっきらぼうに目をそらしながらも 唐揚げをつまんで無言で口に入れた。
岩本 照
……美味い。
深澤 辰哉
でしょ?お母さんの味!
岩本 照
……ふっかって、
ずっとこんな感じなの?
ずっとこんな感じなの?
深澤 辰哉
んー、だいたい。
でもね、照といると、もっと話したくなっちゃう。
でもね、照といると、もっと話したくなっちゃう。
深澤 辰哉
いつもクールなのに、ちょっと照れてる顔とかさ、俺しか知らない気がするし?
岩本 照
っ……は?
岩本 照
誰が照れてるって…?//
深澤 辰哉
はいはい、図星ー笑
岩本 照
……うるせぇ、//
でも、照の頬はほんのり赤かった。
そしてその顔を見たふっかは なんだか嬉しそうに微笑んだ
(……こんなふうに誰かに構われるの 最初はめんどくせぇと思ったのに)
(今は、……悪くねぇな)
岩本 照
ふっか
深澤 辰哉
ん?
岩本 照
……
岩本 照
お前に構われるの、
嫌いじゃないかも……
嫌いじゃないかも……
深澤 辰哉
……えっ、ちょ何それ!?
深澤 辰哉
えっ、それってつまり…
俺の事好きって事…!?//
俺の事好きって事…!?//
岩本 照
っ…そこまでは言ってねぇ//
深澤 辰哉
いや言えよ!惜しいわ!笑
岩本 照
うるさいっ…
岩本 照
けど…まぁ、そこまで
嫌いじゃないしっ……//
嫌いじゃないしっ……//
ふっかは頬を真っ赤にしながら、 それでも笑っていた。
照の誰にも見せない笑顔を引き出せたことが なにより嬉しかった。
NEXT→♡50