日帝
朝日が容赦なく 俺の顔を照らした。
あまりの眩しさに今まで 見ていた夢の光景が一気に 遠ざかり、意識が現実へと 浮上していく。
日帝
…ああ、そうだ、俺は昨日…
タイムスリップ、 したんだったか…
ここは、俺…大日本帝国の 後継の国となる日本の家。
俺の実家でもあるところだ。
日帝
時計を見れば、午前5時30分。
夏だから日の出が早い。
日帝
俺はすぐに起き上がり、 日本に寝間着として貸して もらっていた浴衣を脱いで 枕元に置いてあった軍服に 着替え始めた。
着替え終えた俺はとりあえず 台所へと向かうことにした。
居候の身でありながら 何もしないのは流石に ダメだろ…
そして、台所に 入ると。
にゃぽん
日帝
セーラー服の上に割烹着を 着たにゃぽんが、台所で 包丁を持って立っていた。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
そう言いながら、にゃぽんは まな板に向き直る。
彼女が今切っているのは 人参、大根、玉ねぎなどの 野菜たち。
まな板の横に豚肉が あることも考えたら…
今にゃぽんが作って いるのは、豚汁か。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
にゃぽんのその言葉で、 俺は不思議と笑みを浮かべた。
にゃぽん
手を洗っている間に、 にゃぽんが一人ぽつりと そう言っていた。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
にゃぽんが鼻歌を 歌いながら大根の 続きを切っている。
日帝
俺は一度深呼吸をしてから、 ボウルと卵、菜箸を 手に取った。
日帝さんはだし巻き卵を 5分とかからず作って しまった。
にゃぽん
豚汁はあとはみそを溶かす だけなので、今私は ほうれん草を切っている。
ちら、と隣に視線を 向ければ、猫耳が無意識に ぴこぴこ動きながらお豆腐を 切っている日帝さんが居た。
にゃぽん
大暴露すると、 私は大のBL好きだ。
BL本を読み漁って、イケメンに 毎日のように触れているわけ なんだけど…
日帝さんの横顔は 漫画のイケメンと遜色ない ほどに整っている。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
日帝
にゃぽん
…ふ~、危ない危ない…
このまま行ってたら…
日帝さん受けのBL本の 執筆を頭の中で始めて しまってただろうなぁ…
そんなことを思いながら、 私は沸かしていた熱湯に 切ったほうれん草を 放り込んだ。
日帝
にゃぽん
朝食を作り終わった 俺たちは、居間に朝食を 運ぶのと一緒に日本を 起こそうとしていた。
日帝
ぽつりと言葉が 零れる。
最後に料理をしたのが いつだったか…もう 俺の中の記憶には無い。
にゃぽん
にゃぽん
日帝
なんとなく感じる 不安を押し込めている 俺の横で、にゃぽんが 容赦なく日本の部屋の 襖を開けた。
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽんが大声を出して 驚くと…
日本
スーツを着た日本が、 にこにこと笑った。
日本
にゃぽん
日本
日本の発言に、 俺は首を傾げた。
日帝
日本
日帝
そう聞くと、日本は 面白そうに笑った。
日本
日帝
日本
だから、たくさん 引っ張り出してきましたよ、と。
日本はにこにこしながら 言った。
日帝
俺の言葉は、そこで 途切れた。
日本
にゃぽん
日本
ひょこっと顔を出した にゃぽんの発言に日本は 少々困ったような表情を 見せていた。
こんな風に、
当たり前にご飯が 作れて、
探さねばならないほど 豊富に衣服があって、
朝早くに起きて 爆弾の恐怖におびえる 必要も、この時代では無い。
俺の目の前で、静かに 会話しながら食事を始める 二人を見た。
日帝
日本国を守りきれたと、 言っていいのだろうか
日帝
『家族が死んでいるというのに、』
『国を守れたと言うのは どうなのだ』
日帝
ふと、頭によぎるのは
日帝
俺は一体、何を甘えた ことを思っていたのだ
家族さえ守れない軍人の なりそこないが、
御国を守りきれたと 言って良い筈がないだろう
にゃぽん
にゃぽんが俺の顔を 心配そうに覗き込んで きていた。
俺のどす黒い考えを、 いとも容易く見破られそうな程 澄んだ眼差し。
俺は、目を細めて 意識的に微笑んで言った。
日帝
決して、
決して……
俺の考えが、
読まれないように
俺は視線を落とし、箸で 米を口の中に押し込んだ。
味はしなかった。
食事が終わって数十分後。
日本
にゃぽん
日帝
行ってきますー、と 笑顔を浮かべながら 日本は仕事へと 出かけて行った。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
日帝
あれが当たり前だと 思ってた俺、怖いな。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
日帝
にゃぽん
にゃぽんは 俺に紙を差し出した。
日帝
にゃぽん
日帝
にゃぽん
俺は紙を持って 自室へと戻り、日本が 貸してくれた着流しと帽子を 身に着けた。
日帝
にゃぽんが渡してきた 布製のカバンを持ち、 俺は家を出た。
日帝
帽子をかぶっていても、 容赦なく体を熱気が焼く。
日帝
と、ぐったりとして 考えながらひたすらに 歩を進める。
そんな時、前から こちらへと口論しながら 向かってくる人影が 見えた。
???
???
???
日帝
肉まんにソースを 付けるか否か…
そんなの個人の好みに よるだろうと思う俺が おかしいのか…??
???
???
日帝
思わず耳を疑った。
こいつは今、
『日帝』
と言ったか。
日帝
考えるよりも先に、 口が動いた。
???
???
振り返った、そいつらの 顔は俺が戦時中嫌と いう程見た顔ぶれで。
中国
韓国
北朝鮮
俺の、いや…
日本国の、隣国たちだった。
日帝
日帝
日帝
コメント
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にゃぽん!!気が合いそうだよ君とは
パジャマが浴衣なんて....絶対寝てる間はだけてエッッッにn(((((((殴