小悪魔エンジェル

みこちゃんはキョトンとした顔で俺を見つめている。

そんなあっさり？

相変わらずうざいけど、まぁ良かったのかな、、？

ｶﾞﾁｬｯ

すごく笑顔で頭をわしゃわしゃとされる。

そう言って、にこにこと俺の腕に抱きついてきた。

ご丁寧に語尾にハートまで付けて。

みんな乙女みたいにきゃっきゃと騒ぎ出した。

はぁ…もうめんどいなぁ…泣

カシャっと沢山のシャッターを切る音が響き渡る。

みこちゃんは俺に向ける気持ち悪い笑顔じゃなくて、愛嬌たっぷりの笑顔をこさめちゃんに向けた。

…普通にしてればかわいいのに。

隣にはにこにこと満足気に座っているみこちゃん。

なんでこんな嫌がってるのに喜べるんだろ。

もしかして気づいてないとか？

それは流石にないか…

そう言って頬を膨らます。

他の男や女の子ならこのあざとい仕草に落とされるんだろうけど、俺からしたら鬱陶しいだけ。

みこちゃんは一瞬拗ねたような顔をしたが、すぐに窓の方を向き、寝る体制に入った。

隣のみこちゃんは一切動かなくなり、それに加えて小さな寝息が聞こえてくる。

そう言って、いるまちゃんはミラー越しにニヤニヤと見てくる。

重い瞼を開き、車から降り、車内を振り返るとみこちゃんが眠たそうにこちらを見ていた。

…無視するのは流石に可哀想か。

みこちゃんは驚いたように黄金色の目を見開いていた。

少し耳が熱くなるのを感じ、すぐ車内に背を向けた。

あくびをした後、ガチャっと扉の鍵を閉め、まだ目覚め切っていない頭で後ろを振り返る。

目の前に突然現れたのは、いつもの憎たらしい笑顔をした金髪の男。

昨日すこしでも優しくした俺が馬鹿だった…。

がちでやばい人だ、これ。

俺は呆れてみこちゃんの横を通り、早歩きで歩いた。

突然、後ろから手を引かれた。

はぁはぁと息を切らしながら、頑張って俺を見上げるみこちゃん。

そう言って、みこちゃんは俺の頭を撫でてくる。

みこちゃんと一緒に居たら本当にリズムが崩れる。

勘弁してほしい。