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襟内煙君のビジュ好きすぎてやばい。みんなもそう思うよね?
桜の花びらが舞い落ちる隙間から、柔らかな春の日差しが差し込む。
いつもと変わらない道を歩きながら、ふわりと漂う甘い香りが鼻をかすめた。
この春から中学二年生になった。
新しい教室、新しい出会い――そんなものに胸を弾ませることはない。
「一」が「二」になった。それだけの話だ。
クラスメイトの顔も、名前もろくに覚えないまま、クラス替えになってしまった。
廊下の掲示板に貼られた名簿を無表情で見つめる。自分の名前を探し当てるのに手間取ることもなく、指定された教室に足を運ぶ。
女子生徒1
女子生徒2
女子生徒1
女子生徒2
隣の席に腰掛けている女子生徒の会話が耳に入ってくる。
襟内煙
開かずの煙…か。
声を潜めるつもりもないらしいその言葉が、静かな教室に響く。 無意識のうちに耳がそちらに傾き、心の中に小さな棘が刺さるのを感じた。
これといって、何か虐めを受けているわけではない。
だけど、こう言った陰口は言われ慣れてしまっている。
沈み込んだ気持ちのまま、呆然と黒板を眺めていると、ガラガラという扉が開く音が耳を打った。
色眼鏡現
女子生徒1
女子生徒2
低く響く声と共に、教室内のざわめきが徐々に消えていった。