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江戸城の城主は宴会が好きで毎晩のように開いていた。城主らが宴会を開こうと話していると、ある女の名が城主の耳に入った。
『龍宮寺 黄泉』
彼女は踊り子という噂で、名前が珍しいからか、踊りが魅力的なのか城下町でもその名を知らぬものはいなかった。良家の娘で代々神社を管理している家らしい。名前も魅力的で城主は「この踊り子を城へ招こう」と思い、彼女のいる神社へと文を送った。返事はきたが、
龍宮寺 黄泉
と言う内容だった。しかし城主は諦めなかった。あわよくば、正妻にでもしたいと思っていたため、また文を送った。しかし、
龍宮寺 黄泉
といった内容だった。城主は直々におもむこうと思い、早速翌日に行くことにした。
神社にはとても美しい娘が立っていた。城主は一目惚れし、ぜひ城に来てほしいと伝えた。彼女は戸惑いの表情を見せ、
龍宮寺 黄泉
と聞いてきた。城主は、
城主
龍宮寺 黄泉
城主
龍宮寺 黄泉
ドサッ、城主はその娘を眠らせ、城へと連れて帰ったのである。
娘が目を覚ました時もう宴会は始まってい た。城主は娘に
城主
と言い放った。娘は静かに頷き、仕方なく宴会会場へと向かった。そこに徳川家の人間が沢山いた。
城主
城主はみんなにそう言った。娘は宴会会場の真ん中へ立った。そして、踊り始めたのである。すると、いきなり
ぬあうっ!
と言う叫び声が聞こえた。それは城主の声だった。そして次々に徳川家の人間が
ぬあうっ!
といい、倒れていった。娘は知らん顔で踊り続けた。すると家来が娘を捕まえ、
家来①
といい、娘の腕を掴み地下にある牢獄へとぶち込んだのだった。
娘は
龍宮寺 黄泉
と言った。すると家来は
家来②
と言った。すると家来は
龍宮寺 黄泉
と娘は言った。すると娘は何かを呟きながら踊り出した。よく耳を澄ますとこう言っていた。
龍宮寺 黄泉
家来は信用できなかった。この世に呪いという存在があることをくじていなかった。家来からすると土地神がいるという妄想でこのような馬鹿げたことを演じているのではないかと。そして娘は全ての酒に毒を盛った。家来はそう確した。これは反逆罪、直ちに殺さねばと思い長刀で娘を突き刺した。だが、娘はずっと
龍宮寺 黄泉
と言い続けている。気味が悪くなった家来たちは早く殺してしまおうと娘を何度も刺した。刺して、刺して、刺しまくった。気づいたら娘は血まみれになっていて、家来たちも赤く染まっていた。すると娘の周りが不自然に赤く染まっていた。家来は恐ろしくなりすぐに逃げようとしたその時、家来たちの足元が赤く染まったその瞬間、
ぎいやぁぁぁ
家来たちは悲鳴をあげた。なぜか家来たちの血を誰かが吸っているかのようにみるみる顔色が悪くなっていき、ついには全身青白くなりその場に倒れた。そして、なぜか娘は立っていた。血の涙を流し、微笑んでいた。すると、そこに陰陽師が駆けつけ、娘を形代に封じ娘の住んでいた住まいへと埋めた。陰陽師はこの時のことをこう記している。
なぜこの数時間でここまで悪霊化したのか、そして何が彼女をそうさせたのかが娘の住むところへ来てやっと分かった。そこは陰陽師であれば知らぬものはいない土地神を祀った神社だった。代々受け継がれていく舞というものがあり、土地神へその舞を捧げなければならない。そして舞をする者はその舞をおこたったり、その神社の外へ出てはならなかった。しかし、この娘が見つかったのは江戸城だった。きっと城主が舞に惚れ込み城へ強引に連れていったのだろう。そして。土地神は徳川家に殺された者が集いできたものだと思われる。そのため徳川家が祟られていたのだろう。だがきちんとこの娘は封印することができた。もう心配はいらないだろう。
そして、時が過ぎ明治時代。ある地域でこんな噂が流れていた。
あの家に近づいてはならない。敷居を跨いだだけで夢を見せられ魅入ってしまう。
そこでそれが本当かどうか確かめようと二人の男がその家に向かった。
男①
そう言いながら二人の男は敷居を跨いだ。何が起こったのかはわからない。ただ、二人は敷居の外にいて、全身は青白くなっていて死んでいた。そして、二人が倒れているのを見つけた者はこう言った。
血の涙を流しながら微笑んでいた。まるで何かに魅入られたように。