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月野瀬 蓮
如月 鈴
水曜日の昼休み、屋上で弁当を食べ終えて時間を潰していたら、 いつの間にか隣に蓮がいた。
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
「友達」という存在を探してみるが、中々出てこなかった。
ただ、ひとりだけ…。
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
ごめん黒猫ちゃん、貴方からしたら私は友達でもなんでもないかもだけど、私は友達だと思ってるから。
月野瀬 蓮
猫と友達だと言い放つと、蓮は今まで見たこともないほど驚いて、むせたのか咳き込んでいた。
月野瀬 蓮
如月 鈴
しばらく咳き込む蓮を眺めていたけど、 流石に可哀想だったので声はかける。
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
どうせ、人ではなく動物と友達だなんて言えば笑われるだろう。 そう覚悟していれば、飛んできた言葉は予想外のものだった。
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
あまりに驚いて考えもなしに受け答えしていたら、 蓮に対して今割と酷いことを言った気がする。
月野瀬 蓮
如月 鈴
そういえば、蓮にも友達がいると言っていた。
蓮の友達。気になるといえば気になる。 この無神経男となぜ友達になろうと思ったのか。
如月 鈴
こういうのは勢いだ。勢いが大切だと、 昔見た「おともだち作り方ブック」に載っていた。
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
如月 鈴
月野瀬 蓮
暫く、私達を気まずさを含んだ空気が包み込んだ。
「普通」
思えば、私は「普通」という分類に入るのだろうか。
魔力も魔法もない…この国で生きる人間としての「普通」とは、 少し離れているような気がする。
…蓮は、こんな私を知ったら、どう思うのかな。 天野さんみたいに、嘲笑う? クラスの皆みたいに、憐れみの目を向ける? 先生みたいに、黙認して放置?
あはは!下僕ちゃーん! うわー、可哀想。 …すいません、如月さん。
…怖い。
もし少しでも「私」を知られたら、今の関係が崩れ変わってしまうんじゃないか。
違う…きっと、蓮は…そんなこと、しない…。 ……。
本当に?
私は、蓮のこと何も知らない。 なのに、本当にそんなことしないって、言い切れる?
…やだ、やだ…やだよ。
体の震えを抑えられない、蓮に「私」を知られたくなくて、 思わず蓮から目を逸らす。
今、蓮はどんな顔をしてる?どこを向いてる?何を思ってる?
やだ、考えたくない。考えたくないのに、とまらない。 最悪な妄想が、どんどん私の頭の中を支配して、 震えが止まらない。
全身からサァッと、熱が抜けるような感覚で、 寒いのか暑いのかも分からなくて、
月野瀬 蓮
如月 鈴
声を掛けられたのは分かってる。 でも、蓮の方を向けない、向きたくない。
如月 鈴
そのとき、ふっと、震える体を何かが包み込んだ。
突然震えだし、こちらから逃れるように下を向く鈴を、 僕は放っておけなかった。
どうにか安心させたくて彼女を抱きしめると、 彼女の体は一瞬ピクリと跳ねた。
震え自体はおさまった。けれど…
月野瀬 蓮
如月 鈴
彼女は、僕の体から逃げるように離れ、僕に困惑の目を向ける。 そりゃそうだ。いきなり好きでもない男に抱きしめられれば、 誰だって困惑するだろうし、逃げ出す。
月野瀬 蓮
これ以上今僕が隣にいるべきではないと判断し、その場を離れる。
月野瀬 蓮
彼女を思うように安心させてやれなかった自分に、 無性に腹が立つ。
そりゃあ僕は、今の彼女のことはほとんど知らない。 彼女が今何を抱えているのか、僕に問いただす資格は、 多分ない。
月野瀬 蓮
今思えば彼女が施設を抜け出したとき、 僕が引き止めるか一緒に行くかすればよかった。
あのとき1番彼女と親しかったのは自分だろう。 なのに何故、あのとき施設から遠のいていく彼女に僕は、 何も声をかけてやれなかったんだよ。
月野瀬 蓮
月野瀬 蓮
月野瀬 蓮
如月 鈴
屋上を去る蓮の後ろ姿を、私はただ眺めることしか出来なかった。
傷付けてしまっただろうか。それとも、怒らせてしまったか。
如月 鈴
なんで蓮を突き放しちゃったんだろう。 蓮はきっと、震えてた私を救おうとしてくれてたのに。
如月 鈴
翌日の木曜日、蓮には会えなかった。黒猫ちゃんにも。
今日は一日、集中できなかった。 野外授業に向けて魔法の訓練…私の場合武器の訓練だったけど。
決して手を抜いてはいけない授業だったのに、 あまり先生の話は耳には入らなかった。
お父さんとも、相変わらず上手く会話は続かなかった。
明日は金曜日、「無駄に拗らせ部」初めての活動日。
きっと、明日の放課後、蓮と話すことになる。 だというのに、上手く話せる気がしない。
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴
そう悩んでいるうちに、そのまま眠りに堕ちてしまった。
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴
如月 鈴