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余命宣告とか
ほんとにあるんだなって
まだまだやり残したこととか
思い残しとかは別にないけれど
なんというか
その
呆気なかったなって
幼稚園とか小学校とかは
うん、楽しかった
中学校は受験が大変だったけど
入りたい高校に入れた
わたしグッジョブ
次は大学
最近少し英語に興味が湧いたんですよ
映画の翻訳とか楽しそうじゃん?
だからそういう言語系の大学に行こうかなって
そう思ってた
そんな矢先に余命宣告で
うーん
なんかこう
しっくりこないよね?
だいたいみんな
一度は自分の将来図とか考えるよね?
どんな大学に入って
どんな仕事に就いて
どんな人と付き合って結婚して
どんな結婚生活を送って
どんな老後を送るんだろうって
考えるでしょ?
え、考えない?
そうですか…(*¯³¯*)
まあ私は考えていたワケで
多少のイメージとの差はあるって思ってたけど
ここまで変わるものかなぁ…
そんなことを考えつつ
自分の部屋を出て、1階へ降りていく
お母さん
お母さん
遥香
遥香
いつもと変わらないように接してくれてるけれど
見えないところで泣いてることは知ってる
遥香
お母さん
遥香
遥香
お母さん
お玉を肩でトントンとしながら般若みたいな顔して脅迫してくる
宣告されても笑っていられるのは多分お母さんのおかげだ
〇月✕日
学校にもちゃんと行ってる
友達に会うのも
勉強するのも楽しい
勉強するのも無駄って思うかもだけど
最期にどれだけ私の中に何が入っているのか
それが重要だと思う
最期の最期まで私をアップデートしまくってやるんだ
麻由里
麻由里
遥香
麻由里
友達にあの事は言ってない
最後まで今まで通りに接して欲しかったから
遥香
遥香
麻由里
放課後は麻由里の家に遊びに行った
幼稚園から見慣れた部屋
自分の部屋並に落ち着くのがちょっと不思議
遥香
麻由里
麻由里
遥香
遥香
麻由里
麻由里
遥香
麻由里
遥香
遥香
麻由里
麻由里
遥香
すぐ隣の夏実ちゃんの部屋の扉をコンコン…と軽く叩く
「はぁい」
遥香
夏実
夏実
遥香
遥香
夏実
夏実
勉強した跡はあったけど
飽きたみたいでベッドでゴロゴロしながら小さなディスプレイでDVDを見てた
遥香
夏実
夏実
遥香
遥香
遥香
夏実
夏実
遥香
夏実
夏実
夏実
遥香
遥香
映像を見ると
オレンジのTシャツを着た人が
Are_you_talking_about_puririn?!!!!
って叫んでた
遥香
夏実
I.ll_be_back!
遥香
遥香
遥香
パッケージを見たら
〝Iroiro_gotyamaze〟
って書いてあった
夏実ちゃんこんなの好きなんだ…笑
遥香
夏実
遥香
夏実
遥香
夏実
遥香
そこから映画が終わるまで
吹き替えのように喋り続けた
私が和訳するたびに
夏実ちゃんの目がキラキラしてたのが嬉しくて
とても幸せだった
夏実
遥香
夏実
夏実
遥香
遥香
夏実
夏実
そう言うと椅子に座って
投げ出した勉強をまたし始めた
この子が私の夢を
代わりに叶えてくれるような気がして
こんな私でも
何かを遺せたような気がして
嬉しかった
語れるほど
そんなに長生きしてないけれど
人生って
何が起こるか本当に分からなくて
「また明日ね」っていつも通りに別れても
また同じ朝は来ないかもしれない
人生はループの繰り返しじゃない
そう思えば
〝同じような〟毎日も少しは
輝いて見えてくるはずだ