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いちばんの願い事は、いつだって叶わない
子供の頃からそうだった。
ささやかな願い事は叶っても、心から願ったことだけは叶わなかった。
それが大切であればあるほど、運命は俺に味方をしてくれない。
あきらめると言うより、受け入れるしか無かった。
だからずっと、願い事は胸の中にしまって生きてきた。
あの時も、この時も、この恋だって、俺は願い事を口にはしない。
彼の横顔をそっと見る。
本当に楽しそうに笑うから、俺も自然に笑ってしまう。
貴方といる時間が好き。貴方といる俺が好き。
でも……一緒にいられる時間はあと少ししか残っていない。
大丈夫、見ないふりでやりすごせるはず。
願い事を口にして、あとで傷つくのはもぅ嫌だから。
だから、貴方に笑顔でさようなら
それが俺にできるたったひとつのことだから。
▷▶︎▷next♡100
