こつこつと音の響く広い廊下に
小柄な私は大きなダンボールを1つ両腕で持ちよろよろと歩く
桃 .
ぶつぶつと文句を廊下に吐き捨て深くため息をついた
奥から小走りで駆けつけてくる、赤と黒のパーカーに制服姿の男の子
赤 .
高いようで低い声で、彼は私の名前を呼んだ
近づいていくにつれ彼は歩幅を縮めて早歩きで私の前まで立った
目の前に立たれると、より一層私の低身長が目立って少しモヤる
それでも大好きな彼に会えたこと、それだけで私の黒く染まられた心は晴れる
赤 .
首を左に少し傾け、俺が持つよと言わんばかりの両手を見て少しにやける
赤 .
予想通りのセリフに笑みがこぼれる、くくっと笑ってありがとうと返事をして腕をぐーっと伸ばした
赤 .
桃 .
本当はこんな寒い廊下にいたくない
だけど、1秒でも長く彼と一緒にいれるのなら暖房の付いた教室なんてどうでもいい
彼といる時だけ、不思議と体もあたたまる
橙 .
橙 .
いきなりひんやりと冬の寒さを感じた
桃 .
心のどこかで、がっかりした自分がいた
そんな自分を認めたくなくて、私は彼女の肩を軽くさすり彼にも聞こえる声量で
桃 .
橙 .
桃 .
桃 .
桃 .
赤 .
赤 .
彼に向けた背中がやけにあつい
心臓が飛び跳ねそう
辛いのに、彼に呼んでもらう名前はすごくきらきらしていて
嬉しいような...
桃 .
べーっと下を突き出し人差し指を目元に置いた
赤 .
気温に不満を漏らしながら、曲がり角のある廊下に足を上げ下げし歩く
曲がり角を曲がった時、奥にふらふらとダンボールを抱えた女の子が立っていた
きっと僕の、好きな人
体が無意識に動いて、気づけば彼女の目の前にいた
行き場の無い両手、ダサい自分に少し耳を赤くする
彼女といる口実がほしかった、その日は無性に、彼女と喋りたかった
赤 .
桃 .
心の中で、強くガッツポーズをかまして彼女の歩幅に合わせながらゆっくり前へ進む
他愛のない話しで笑いあって、一生このままでいたいと思った
橙 .
橙 .
片手にオレンジジュースを持ち、口にストローを加えたロングヘアーの女の子
橙さんがいた
赤 .
俺が事情を説明しようと足を止めた瞬間、彼女は俺の裾をひっぱりこういった
桃 .
赤 .
ショックだった
彼女が俺といたくないのか
なにか気に触ることがあったのか
彼女が何を思っているかがわからなくて
彼女はぺらぺらと、小さい口を必死に動かして話をする
「もういっこたのまれてて」
赤 .
彼女は背を向けたまま、2、3秒立ち止まってこちらに目をやる
べーっと声を出して、いーんだよとあっさりふられた
橙 .
彼女はへらへらと笑みを浮かべながら、俺は桃さんの時より少し、歩幅を広げた
桃 .
運動不足の私にはかなりきつい運動だった
桃 .
深い溜息をつきながら、壁に背中をずりずりと滑らせて座る
桃 .
あんなこと、思ってしまってはだめだ
橙さんと赤くんが、結ばれるように仕掛けなきゃ
私が前に出てどうする
1人反省会を繰り広げながら、10秒に1回ため息をついては反省
桃 .
緑
座っている私の目の前に、膝に手を置いてちょこんと目線をあわせる背の高い緑くん
桃 .
ぴょんっと飛び上がって壁に手をつける、聞かれてた !という自分の不安の声と心臓がうるさい
緑
彼は腕を上にあげ、声を上げてはぁ、と息を着いてから私を見た
緑
緑
へらっと笑って、彼は少ししょぼんとした顔を見せてきた
桃 .
緑
先程自分が放った言葉と、まったく同じセリフがでてきて
びっくりしすぎて、彼の目をぱっと見る
緑
桃 .
あまりにおもしろくて、腹を抱えて、声を抑えめにして笑った
彼はぽかんと口をあけて不思議そうに私を見てる
桃 .
一息ついて、落ち着いてから、彼と教室まで戻ろうと足を進めた
橙 .
赤 .
適当に返事をしているにも関わらず、彼女は話をやめてはくれない
ちらっとまでの外をみた
緑
桃 .
赤 .
これが正解だったのかな
彼女は、彼に会いに行ったのかな
俺が嫌だったのかな
赤 .
橙 .
赤 .
赤 .
赤 .
彼女に俺はもったいない
彼女にはもっといい人が
赤 .
桃 .
赤 .
桃 .
赤 .
桃 .
おくれた 😆🫵🏻💕💕
すれ違う恋愛だいすき 👩❤️👨
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続き楽しみ!