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「くっ……! ふざけんなや!」
みりんの腕と足を絡め取る黒い縄は、まるで生き物のように蠢いていた。彼女は全力で抵抗するが、どれだけ力を込めてもほどける気配がない。
「お前が使う契約、ホンマに気色悪いな……!」
「まぁ、俺の異能は“過去の契約を再現する”能力だからなぁ。」
アレクシスは口元に笑みを浮かべ、指を軽く鳴らす。
グググ……ッ
「っぐ……!」
みりんの身体がさらに締め付けられる。
「お前な、100年前の興魔族討伐任務のとき、何が起きたか知っているか?」
「知るかボケ……!」
「教えてやる。」
アレクシスはゆっくりと歩きながら言った。
「当時の俺の祖父は、『ケンドラ』を縄文時代から呼び戻した。それはいいな?」
「せやから、なんやねん……」
「ほんで、ケンドラと契約を交わしたんだ。“この国を滅ぼす”ってな。」
「はぁ!? そんなもんを祖父が残したんか!?」
「そして、その契約はまだ終わっていない」
アレクシスの瞳が妖しく輝く。
「だから今、俺がこうして契約を再現してる。」
「……ッ!」
みりんの顔が険しくなる。
「つまり、お前がしようとしてることは……」
「ああ。」
アレクシスは不敵に笑った。
「王国崩壊の続きや。」
その言葉に、場が一瞬静まり返った。
——カッ……カッ……
沈黙を破るように、誰かの足音が響く。
「そうか……全部、お前の計画通りだったわけか。」
冷静な声。
その声の主は——
「……サブ?」
サブが、みりんの隣に立っていた。
「アレクシス、お前は何回生き返ってもええ。けどな——」
彼は右手を握り締める。
「俺らはお前を止める。」
ズオッ……!
サブの足元から、青白い雷が弾けた。