グオオオオオオオオオッ!!
王都の空が、黒い影で覆われる。
「……マジかよ。」
サブが息を呑む。
無数の魔物たちが、王城を包囲していた。
巨大な牙を持つ狼型の魔物、体長5メートルの飛行型の悪魔、無数の人間の顔が絡み合う異形の獣……。
「こいつら……1000体やと……?」
萌香が剣を構える。
「……これが100年前の契約の再現ってわけか。」
レイスが低く呟く。
アレクシスは高らかに笑った。
「そう! 100年前に俺の祖父が召喚した“ケンドラの眷属”……そいつらが、今ここに蘇ったんだ。」
「てことは……あのケンドラがまだ生きとるってことか?」 異魚天が刀を握り締める。
「ふふん、そんな単純な話じゃない。」
アレクシスは悠々と手を広げる。
「ケンドラはすでに消えた……が、契約は残っとる。つまり、こいつらは“100年前の王国を滅ぼすために呼び出された魔物たち”や。」
みりんが舌打ちする。
「つまり、こいつらはただの魔物やなく、100年前に戦場で暴れ回った精鋭やっちゅーことか……!」
「なら、さっそく——」
アレクシスが指を鳴らす。
——ドドドドドドッ!!!!
魔物たちが一斉に突撃を開始した。
「チッ、来るぞ!!」
サブが先頭に立ち、蟠竜を呼び寄せる。
「俺と萌香で空から戦況を見て、指示を出す!」
「わかった!」 萌香が素早く蟠竜に飛び乗る。
「地上は僕が担当するで!」 みりんが笑いながら構える。
「俺は、こいつらの大将をぶった斬る。」 異魚天の刀が妖しく光る。
「なら、俺はアレクシスを殺る。」 レイスの目が鋭く光る。
アレクシスはその光景を見て、薄く笑った。
「いいやん、いいやん……最高の戦場だ。」
彼はゆっくりと手を掲げ、再び契約を発動させる。
「さぁ、続きといこうか。」
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