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『地下の部屋』
夜中に目を覚ました瞬間、拓真は体が動かないことに気づいた。
目の前には白い蛍光灯、そしてコンクリートむき出しの天井。見知らぬ空間だった。
「……どこだ、ここ」
目を動かすと、壁には工具がずらりと掛けられていた。メス、ハンマー、ノコギリ…。
何かが乾いた音を立てて揺れている。音の先には、黒ずんだ肉片が吊るされていた。
「目、覚めた?」
女の声だった。後ろから足音が近づいてくる。高いヒールの音。
目の前に現れたのは白衣を着た若い女。無表情で、手には何か光る器具を持っていた。
「じゃあ、今日は“腕”ね。昨日は足だったし、順番通りいこうか」
拓真は絶叫したかったが、口にはしっかりと布が詰め込まれていた。
彼女は楽しそうに笑い、スイッチを押した。天井から降りてきたのは、金属の枷(かせ)。
「大丈夫。意識は保てるように、ちゃんと調整してあるから」
その言葉のあと、部屋に響いたのは、刃が骨に当たる音と、彼の喉の奥から漏れたうめき声だっ