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最近、悠斗は私にすごく気をかけてくれる。
朝の「おはよう」から始まり、授業中もさりげなくノートを貸してくれたり、放課後も一緒に帰ろうって誘ってくれたり。
「せりな、今日も一緒に帰らない?」
「う、うん!」
正直、悠斗と一緒にいるとすごく楽しい。優しいし、気も使ってくれるし、なんというか…まるでお姫様扱い!?
(や、やばい…悠斗、かっこよすぎる…!!)
でも、その一方で——
**湊の態度がどんどん冷たくなってきていた**
「ねねね、これ答えわかる?」
私は隣の湊に小声で聞いた。
いつもなら、「は?そんなの自分で考えろ」とか毒舌で返してくるのに、今日は——
「……知らね。」
「え?」
湊は視線を黒板に向けたまま、全然こっちを見ようとしなかった。
(え、なにこの塩対応!?)
今まではなんだかんだ言いながらも絡んできてたのに、最近は目も合わせてくれなくなった。
(もしかして、怒ってる…?)
でも、何に怒ってるのか全然わからない。
私、何かしたっけ…?
お弁当を食べながら、私は紗菜に相談してみた。
「ねえ、湊って最近冷たくない?」
「え、そうなの?」
「うん。前はもっと毒舌で絡んできたのに、最近は話しかけても適当な返事しか返ってこないし…」
「ふーん……」
紗菜は意味深に微笑んだ。
「せりなさ、それ、絶対湊が嫉妬してるやつじゃん。」
「は!?嫉妬!?」
「だってさ、悠斗がせりなに優しくしてくれるようになったタイミングで、湊の態度が変わったんでしょ?それって、どう考えても気にしてるってことじゃん?」
「……いやいやいや!!湊が嫉妬とか、絶対ないから!!」
「ほんとに~?」
紗菜はニヤニヤしながらお弁当をつつく。
「でも、もし湊がせりなのこと好きだったら、結構かわいくない?」
「なっ!?……っ!」
そんなこと言われたら、意識しちゃうじゃん…!!
悠斗と一緒に帰ろうとしたとき、ふと、湊の姿が視界に入った。
普段ならサッと帰るのに、今日は校門の近くでボーッと立っている。
(……湊?)
声をかけようとしたけど、そのとき——
「せりな、行こ?」
悠斗が優しく微笑んで、私の腕を軽く引いた。
「……う、うん!」
私はそのまま悠斗と歩き出す。
湊のほうを振り返ると、彼はじっとこっちを見ていて——
でも、すぐに視線をそらして、背を向けて歩いていった。
(……なんで?)
悠斗と一緒にいるとドキドキするのに、湊が冷たくなると、それはそれで胸が締めつけられる。
(私、どうしたいんだろう……)
自分の気持ちがわからなくなって、私はただ、悠斗と並んで歩き続けた。