コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
答えられない僕のほおを撫でながらアントンが言う。「でもね、目はきっとすっごく怒ってる。本当は嫉妬深い人。ウンソギヒョンってそういう人だよ」
そう、だろうか。僕が誰といても全然気にしていないように見える。
二人の時間が取れなくなっても、自分はゲームして遊んでるような人。それがストレス発散ならと、僕も声をかけられなくなって。
僕とアントンが近づいていくのを、きっと見て見ぬふりをしていた。ただの友達か愛情かを一番知っていながら。
甘えたがりの性格をうっとおしがられたくなかった。先輩だったウンソクに一目置かれたかった。
ウンソクが自分から甘えてくれるのを待っていた。ふたりでいられた頃はちゃんと甘えてくれたのに。
お互いの世界が広がる分、多少の秘密も、距離も仕方ないことだと思い込もうとしていた。本当は無理なのに、あなたがいいのに。
「嫉妬深いかな、ウンソギヒョン」
「嫉妬深いよ、いちばん近くにいたのに知らないんだね」
アントンの冷たく見放すような眼と言葉に、深く傷つけられた。決定打だった。ああ、僕は知っているようで何も知らない、ウンソクのことを。
わからせてあげればいいよ。ウンソギヒョンの反応見て決めたら? 僕と付き合うか。
アントンの悪魔のささやきに、愛に飢えていた僕はたやすく堕ちていく。