腐向け
何でも許せる方のみ
鴎敦
敦 side 》
ひとつの声が僕を救った。
「この子、中島敦くんを私が引き取ります」
ずっと耳に響き、幸せで高鳴っている。
僕よりもずっとずっと背が高くてお医者さん。
その人の隣で手を繋いでいる金髪の少女が微笑み手を伸ばした
「ほら、アツシっ!はやくっ!」
『ぁ、うんっ!』
「おや、エリスちゃん。そんなに走っていると迷子になってしまうよ。主に私が」
「じゃあ、アツシと手を繋げば良いんじゃ無い?リンタロー」
「それもそうだね笑」
あの地獄のような孤児院の日々から仏のような手で引き上げてくれた2人。
暑く今にでも熱中症にでもなってしまいそうな夏に涼しく感じられる手と血液と薬品が混じった匂いが何故か落ち着いてきてしまう。
もう片方は綺麗な花を想像してしまいそうな程な香りがくる。
手はお人形のように華奢だ。
あゝ、この手から離れたく無い。
「ぁ、あの僕なんかが “ かぞく ” なんかに成っても良いんですか?引き取るってそーゆう意味だと思って…」
『君と私達とがかい?、うちでちゃんと頑張って働いて呉れたらそう呼べるかもね』
「えと、ちゃんとはたらきますっ!!
「でも働くってどんな、?ことですか?」
『それはおうちに着いてから説明するからね。
他に質問はあるかい?』
「あの、かぞく って働いたらなれるモノなんでさか?」
「私達が特別なだけ。少し特別な約束だけさ」
コメント
2件
ミステリアスな雰囲気が好き過ぎます✨❤🔥