第3話
そんなことを考えていると颯太はシャトルランから帰ってきた。
「おつかれー!」颯太はにかっと笑った。やっぱり俺は颯太の笑顔が好きなんだろうな。
さて、次はソフトボール投げだ。これは昨日練習したからかなり自信がある。それにこれが終われば帰れる。
俺の記録は32mだった。中々いいのでは?嬉しくて水筒の水をがっと飲んだ。後半組がやっている間、前半組の俺はボール拾いだ。あ、次は颯太だ。あいつの球はどのくらい飛ぶんだろうか。
-そういえば昔ソフトボール投げの記録を伸ばしたくて下校中に二人で練習して帰るのが遅くなって母さん達に怒られたっけな、w
ドンッ
あ、昔のこと思い出してたらボール当たっちまった、痛ぇ。
「海斗!!悪い!大丈夫か!?」
颯太が青ざめた顔で走ってくる。頭から血が滴り落ちてくるのが分かる。多分かすり傷だろうが見た目は派手だろうな、
颯太が今にも泣きそうな顔をしながら「保健室にいこう、歩ける?」と俺を保健室まで連れていってくれた。
かすり傷だったためすぐに出血も収まった。湿布を貼る程度で済んで良かった。ちゃんと集中しなきゃな、
「ごめん。大丈夫、では無いか、本当にごめん。」
「全然大丈夫wむしろぼけっと突っ立っててごめんな」颯太はやっぱり優しい。
「でもやっぱり心配だから久しぶりに一緒に帰らないか、?」
颯太の突然の提案に俺は驚いた。入学当初は一緒に行っていたものの今ではほとんど関わりがなかったからだ。
「海斗が嫌だったら全然、その、一緒に帰ってくれなくてもいいんだけど、」
「あ待って待って!嫌とかじゃ全然なくて!驚いただけで!」
「じゃあ決まりだね。荷物持ってくるからちょっと待ってて。」
颯太は走って荷物を取りに行ってくれた。また一緒に帰れることが嬉しかった。
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