第4話【1】
スポーツテストから一週間
俺は今明日が楽しみすぎて寝れないでいる。明日何があるのかと言うと、探求学習だ。探求学習というのは中二にある、二泊三日の研修?である。
探求学習の部屋班は出席番号で7人ずつ振り分けられた。俺の出席番号はちょうど7差で颯太と同じ部屋だった。これは楽しみでしかないだろう。風呂上がりや寝巻き姿を見られる絶好のチャンスだ。しかもバス席も自由だったのだが、ソフトボール投げで頭から血が出た以来少し距離が縮まり、颯太と隣になることが出来た。しかもしかも探求学習では主に社会活動と自然活動に別れて行動するのだが、そちらも自然活動を希望した人の内、出席番号順だったため颯太と同じ班なのだ。
なんて考えていたらいつの間にか寝てしまったようだった。
ーーー
そりゃそうなるわ。楽しみすぎて寝れなかった俺はバスの中で颯太に思い切り寄りかかって寝てしまったらしい。颯太は体調不良を心配してくれたが、楽しみだっただけだと言ったら笑われてしまった。
宿泊先に着いた。着いたらまずはカレー作りだ。俺の部屋班の担当は野菜を切ること。颯太のエプロン姿!っとそんなこと考えるとまた怪我しちまう。俺は母さんの手伝いをしている要領でさっと切り終えた。颯太も同じくらいに終わったようだ。相変わらず器用だ。
作り終えたカレーはとても美味しかった。野菜の大きさもちょうどいい。
「美味しいな。」
颯太が微笑みかけて来た。心臓が止まりそうだ。やっぱりどうしようもないほどに颯太が好きだ、なんて思った。
夜、風呂に入って部屋に戻ると疲れていたのかみんなさっさと寝てしまった。俺は興奮が冷めないため、いつも通りスマホで小説を書くつもりだった。俺は颯太への恋心を、名前を変え、そのまま書いていた。まず自分のストーリーのいいね数などを確認しようと思ってアプリを開くと、隣の布団からがさごそと音が聞こえた。ぎょっとして見るとやはり颯太が起きていたようで、
「え、海斗、、そのアカウント、海斗がやってるの?」
と問いかけてきた。見られてしまった、もし俺が颯太のことを書いている、颯太のことが好きなんだ、ってばれてしまって嫌われたらどうしよう。誤魔化すか?と思ったけれど見られた以上、言い逃れが出来ないのでしょうがなく正直に答えた。すると
「え、や、っぱ海斗、すごい、な、」
なんだかとても気まずそうだった。このアプリはみんなが知っている。もし読んだ事があったら、?もしバレてしまっていたら、?最悪な想像が頭をよぎった。
が、本人が何も言い出さない以上今日は寝ることにした。
コメント
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続きが気になりすぎる!!