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「はじまりは恋以外のなにか。」
人物紹介__________
佐藤 一樹 さとう いつき
高校2年生。
lines…「」
高雛 有希 たかひな ゆき
高校1年生。
lines…『』
佐久間 碧 さくま あおい
高校2年生。
lines…[ ]
start____________
2018 . 4 . 某日
入学式当日。
ずっと憧れていた高校。
紺色のセーラー服に
黒色のローファー。
県内の私立高校でも成績Topに入る
この学校。
月詠学園高等学校
私がこの学校を志望校にしたのは
中学2年生の秋頃。
メロンパンを片手に
高校のパンフレットを読み漁っていた。
その時に見つけたのがこの学校だった。
『制服かわいい…』
セーラー服の制服に一目惚れをした。
絶対にここに行きたい、と。
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月日はあっという間に流れて
中学3年生の夏。
暗く、空気のこもった部屋
机の上に散らかる参考書
未だにE判定の模試。
正直、誰よりも焦っていた。
周りには余裕があって遊びに行っている人や
選抜で受かった男子達が溢れている。
それでも必死に勉強した。
耐えきることができずに溢れる涙や
鬱陶しくて投げ出す家族の事。
全ての負担が私に圧し掛かった。
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そして迎えた試験当日。
車に揺られながら
その両手は酷く震えていた。
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『やっと終わった…!』
お疲れ様、と母親が呟く。
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合否発表当日
自分の受験番号を確認し
壁にはられた文字一つひとつに目を通した。
『…あった!』
その瞬間、鼓動はどくんと跳ねて
右手の震えは収まっていく。
『お母さん、高校受かったよ!』
私は堪えようとした涙をそっと流した。
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今思うと自分でもギリギリだったな、と思う。
桜は既に花弁の殆どが散らばっていて、
木に残るのは数枚の花弁だった。
桜の花が咲くこの長い坂道を登り歩くと
生まれ変わったばかりの
綺麗な校舎が見えた。
校門をくぐり抜けると校舎が目の前に
そびえ立っていた。
一樹side__________
今日は入学式だ。
ちょうど1年前に入学したと考えると
時の流れは早いと感じる。
[一樹、あの子可愛くね?笑]
「ん?どれどれ」
碧は1人の女の子を指差した。
[髪短くて綺麗で セーラ服似合ってるなー、]
[一樹 あの子タイプそう 笑]
「悪い、目悪くてさ」
「見えないんだよな」
[あれ、今日眼鏡は?]
「急いでたから置いてきた」
[そうか]
式も終盤に押しかけている。
毎年恒例の校長先生の長くて
鬱陶しい話が体育館に響き渡る。
「…終わりそう」
[…笑笑]
そう呟くと隣で口角をあげて微かに笑っている。
友人の碧(あおい)。
1番気が合うと言っていいのか分からないが
よくつるむ友達だ。
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[終わったぁ…笑笑]
「いつもに増して 話長かった…」
[だよな…]
ホームルームを終え帰ろうとしたとき、
窓から見えた1年生の女子たち。
その中に面影があったのは
朝に碧が呟いた子だった。
[一樹、?]
「あぁ…ごめん。帰ろう」
[そうだな。]
そう話してから素早く教室を出た。
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Prolog end