隠し事と言われるとなぜかマスキングテープが頭に浮かぶので書きました。
少し重めです。
主には文才がないので雰囲気だけでもお楽しみください…
[]の中はルビです。ルビの入れ方を改良しました。
<例>
「無理してない?[休んでくれ]」
side:シト
「ちゃんと勉強した?[カードを見せて]」
「したよ」
あぁ、またやってしまった。完成していないカード[正直に言う]を見せるつもりだったのに、
差し出したカードはマスキングテープだらけだった。[無意識に嘘を吐いてしまった]
直ぐに「間違えた[嘘吐いた]」と言えばよかったのに、マスキングテープをはがせばよかったのに、手[口]が動かない。
自分はマスキングテープ好き[嘘吐き]というか、マスキングテープ[嘘]憑きな気がする。憑かれていても真実を吐く狼憑きがよかったな、そんなことを思っても自分は人狼なのは変わらないのだから仕方がないだろう。
早くこのゲームを終わらせたいのに終わらない、そんな日々がこれからも続くのだろう。
自分の心の中に入り、鍵をかける。これで誰にも見られることはない。
たくさんの絵画が飾られている。全部、醜い絵画[真実]の上からマスキングテープ[嘘]を貼って、絵の具を塗っ[都合をよく]たものだ。
もう何枚重ねたか分からないものや、貼ってから時間が経ちすぎたものもある。そんなマスキングテープを剥がすと絵はべたべたになってしまう[大批判を受ける]のだが、剥がすつもりはない。そうなる頃にはもう近くで見る[疑ってくる]人などいないのだから。
マスキングテープを剥がされることもあった。貼り直しの作業が嫌になることもあった。でも、与えられたキャンパスに、失敗作が描かれているのを見られるのは耐えられないから。自分の絵ではなくてもきれいなら褒められるから。
何度も剥がされても、
元の絵を改変するときに自分で剥がすことになっても、
自分の絵が一つも人の目に映らなくなっても、
ありきたりで万人受けする絵をマスキングテープの上から描くのだ。
べりべりべり
ぺた、ぺた、ぺた、
「シト!こっち来て~!」
「!」
ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
「まだ~?」
「まって!今行くから!」
「何時か、マスキングテープなんていらない日はくるのかな」ボソッ
「なんか言った?」
「いや?なにも」
ぺた
なんか、重くなりましたね…
私、よく自分を守るために嘘をつくんですけど、そのたびにマスキングテープが頭に浮かぶんですよね。
あと、普通にマスキングテープは好きなので書きました。
小ネタなんですけど、最後、「マスキングテープなんていらない日はくるのかな」と言っていますが、いらない日”は”と言っていて、あまり希望を持っていない感じにしています。
あと、 直ぐに「間違えた」と言えばよかったのに の部分、マスキングテープだらけのカードを意図して出したのに、「間違えた」と言おうとしている、嘘が抜けきれない感じにしました。
読んでいただき、ありがとうございました。