俺は夜が好きだ。特に理由はない。
学校では女子に話しかけてウザがられてるけど別に不満は無い。
「寒っ」
冬の夜はやっぱり寒い。
(コンビニあるじゃん)
少し歩いたところにコンビニが見える。冬とコンビニといえば肉まん。
行くしかない。
「うまぁ 〜」
冷えた体が温まる。肉まんを生み出した人に感謝したい。
「天使、、、」
そんな馬鹿みたいなことを考えていると目の前に天使が現れた。白い肌、白く長い髪、赤い瞳。これを天使と呼ばずになんと呼ぶのだろうか。美しかった。今にも消えてしまいそうなその儚さに俺は釘付けになっていた。
きっとこの時のために俺のコミュ力はあるのだろう。まぁ、話しかけてもウザがられてるが。
「すみません」
天使はキョトンとしている。可愛い。
「テンスタとかしてますか?してたらアカウント教えてください!」
こんなナンパみたいな方法しか思いつかなかった。
「あの、、、そういうの大丈夫です、」
天使に断られた。これが大失恋ってやつなのか?そうなのか?
「そうですよね、なんかすみませんっ」
やばい泣きそう。今までこんなこと無かったのに。これが恋なのかもな。
儚く散った俺の初恋。辛、、、。
学校の女子にウザがられてもこんな気持ちにはならないのにな。とりあえず撤退するか。
俺は天使に頭を下げて逃げるように家に帰った。
「名前くらい知りたかったな」
1人、部屋で呟く。
(綺麗な人だったな。白い髪に赤い瞳ここら辺じゃあんまり見ないし、、、)
考えれば考えるほど分からなくなる。
17年間あんな綺麗な人は見たことがない。そりゃ一目惚れしちまうだろ。
あんな人が同じ学校にいれば休日が憂鬱になりそうだ。
「うがぁぁあ!」
枕に顔を埋めて叫ぶ。やばいもう一度会いたい。普通はここまで悩むこともないのだろうか。そもそもそこら辺で会った人に一目惚れをすることがないのだろうか。
(寝よ)
今日は一旦寝よう。深夜テンションでおかしくなってるのかもしれない。寝れば落ち着けるはず。さすがに明日学校で寝るわけにはいかない。
コメント
2件
肉まん食べたい…
最初の「理由はない」「不満は無い」「行くしかない」「感謝したい」のとこ語呂よくて好き(((