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茈side
茈「…お前ほんとに性格わりぃよな。」
百「これは赫っちゃんが勝手にしてるだけでしょ~?」
幽閉部屋から泣き叫ぶ声が聞こえてきたから、様子を見に来たら目を覚ました〝魔女〟が手錠が無ければ百に噛み付いているのではないかと思うほどの勢いで暴れている。
それをにやにやしながら見ているだけで止めない百もどうかと思うが。
茈「…落ち着け。どんだけ泣いたって死んだのは変わんねぇよ。」
〝魔女〟に対しての優しさのつもりで言っているわけでも、百に対する嫌味でもなく、…過去の自分に言っている様な気分で呟く。
さっさと殺してやればいいのに。
赫「ぁあ゙ッ…ゔっ…(泣)」
俺の言葉に答えたのか、単純に疲れたのか分からないが、だんだんと落ち着いてきた。
百「手首真っ赤じゃぁん…(笑)」
ほんとに性格悪ぃなこいつ。
赫「ッ…!(怒)」
茈「気持ちは分かるが落ち着け、あほ。 」
赫「…っ…、…(泣)」
…愛されて育てられたんだろう。
素直に俺の言うことを聞いた。
馬鹿らしい。
茈「…お前やりすぎ」
百「茈がそんなこというなんて珍しいじゃん?(笑)」
パッと見だと俺の方が怖そうに見えるんだろうけど、絶対こいつの方がやばいだろ。
人間として…人間、じゃないか。
百「…あー、もしかして過去の自分と重ねちゃってる?(笑)」
茈「こいつと俺とじゃそもそもの境遇が逆。」
百「そう?似てるけどね(笑)」
俺は〝魔女〟じゃない。
正真正銘、ただの普通の人間だ。
百「赫っちゃん、大丈夫?」
赫「…ふざけんな」
茈「はっ、嫌われてやんの。 」
意外と口悪いな、なんて思えるほど関係は深くないか。
赫「…てか、なんで俺の名前ッ」
百「お母さんとお父さんが死ぬ直前まで名前呼んでたから」
赫「…っ、(目潤)」
茈「…」
百って圧かけるの上手いよなー、…いや俺もさほど変わんねぇか。
母親の方は完全に神経が死んでからも動いていたような気がするくらいだったから気持ち悪かった、なんて今このくそがきに伝えたらどんな反応をするのだろうか。
赫「…早く殺して」
百の方を軽く睨みつけている。
俺だって殺せるなら殺してやりたい。
…あの時さっさと殺していれば、
百「今は無理かな~…実験が終われば出してあげる。」
赫「実験、?」
という名の拷問。
こんな小さい子供に、なんて思う人もこいつが〝魔女〟だとしれば今まで言っていたことなんて忘れて殺せ、と言うんだろう。
百「赫っちゃんは自分が〝魔女〟って自覚はある?」
赫「…〝魔女〟、? 」
知らねぇのか。
まだ不幸中の幸いだな。
…いや、そんなことも無いか。
百「君はこの世界に居ちゃいけないの(笑顔)」
すごいストレートに言うなぁ…
いや間違ってねぇけどさ。
赫「…え、?」
百「化物産んじゃったんだからお母さんとお父さんが殺されちゃっても仕方ないでしょ?分かる?」
茈「…百」
それは言い過ぎ、と目で伝えるが百は気付かないふりをして〝魔女〟の方へ顔を向けた。
百「俺らは〝魔女〟を殺さなきゃいけないの。」
赫「…」
百「しょうがないでしょ?それでお金もらって過ごしてんだから(笑顔)」
茈「百、1回黙れ」
〝魔女〟の方を見ると絶望したような、真っ黒い瞳を浮かべていた。
茈「…あー、安心しろ、痛くはしねぇよ」
百「それなんの慰めにもなってないから(笑)」
なんか言葉をかけてやろうかと思ったが何も浮かばなかった。
なんせ相手は〝魔女〟なのだ。
…俺の人生を壊したあいつと同じ─
百「やっとノってきた?(笑)」
茈「…うるせぇ。」
にやにやしながら顔を覗き込んでくる百が腹立たしい。
赫「…俺が、〝魔女〟だったから、お母さんと、お父さんが…」
百「うん、そう!ようやく理解してきた感じ?」
もはや光なんて無い赫の瞳に気持ち悪いくらいの笑みを向ける百の顔が写っている。
…百も、大変だな。
赫「殺して、」
百「んふっ…(笑)」
赫「殺してよっ゙!!!早くっ゙!!!!!!」
…
百「だめだよ茈。まだ、だめ。(微笑)」
鎌に手をかけた俺を優しく止める百。
きっとこれ以上したら俺が殺される。
茈「…」
百「んふっ、茈もいい子になったね(微笑)」
茈「きしょい。」
百「酷いって(笑)」
必死に己の死を懇願する〝魔女〟の前で呑気に会話する俺たち。
いや、呑気なのは百だけか。
…いや、百も呑気では無いか、
赫「殺しでっ゙!!!どうせ殺すなら、早くっ゙!!!!!」
泣き声ともとれる〝魔女〟の叫びに百が意地悪く─彼にとってはいつも通りに─返事した。
百「やぁだね、死ぬなら苦しんでから死ねよ(笑)」