ある男は眉間にシワを寄せ、タバコを吸い唇を噛む。「あいつ…いつまで持たせるつもりだ? 」
男はため息とともに煙を吐き出した。今日は兄弟と飲みに行く予定だったのだ。酒を飲むからとわざわざ遠くから車を使わずに歩いてきてやったのに、と男はまたため息をつく。
「…よ〜、隣失礼するぜ」
誰もいないはずの細い道だが、後ろから声をかけられた。低い声だったが、女性のようだ。
「いいけど…ここは治安悪いぜ、絡まれる前に帰りな」
彼女は何をしに来たのだろうか、そう思いながら煙を吐く。
「まぁ、それを見に来たんだよ。すぐ帰るから、気にしなくていい」
喋り終わる前に彼女は面倒くさそうにタバコを取り出し、口に運んだ。男はタバコ吸わなそうな人なのに吸うのか、もったいないなと思いながら目線を前に戻す。
「口に出てるよ、」
「えっまじか」
気づかなかったが、口に出ていたらしい。
「タバコ吸わなそうな人だって?そうだねぇ…別に見た目で判断されるのは好きじゃない」
「いや、謝るって…」
「気にしてないさ笑」
しばらくして彼女はタバコの火を消し男に背を向けた。
「もういくのか」
「ああ、生憎時間はそんなに無いんだ」
女は歩いていく姿を見て、男は「あ、そうそう」と思い出したかのようにいった。
「あんた、名前は?」
男も火を消し、女に問いかけた。
「…気に入った。教えてやるよ。あたしの名前はロヴィーナ・スピリト。またの名を破壊神、という」
「…様子見とか言って結局破壊しちまったな。今回は女の姿に化けたが…結構気に入った。しばらくこのままでいこう。結局ステラ型じゃなかったしシエル型でもなかった。ただのニエンテ型だ。無駄足だったな。さあ、邪魔者が来る前に帰ろう」
コメント
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わぁ~オサレだぁ~
あら〜!!!神作の予感がする!!! でも雰囲気が好きだから 予感は本当になるんだろうなぁ… あ、期待ではなくもう確定なので ご安心を!!!(?)
おもろそうなよかん ……!!!