「ありがとうねぇ〜、助かったわぁ〜。」
しわくちゃの顔を更にしわくちゃにして笑う目の前のおばちゃん。
その様子にこちらもにこりとしてしまうから、
魔法使いではと変な思考が頭をよぎる。
そんな考えを軽く頭を振ることで打ち消しながら、
zm「全然ええで!寧ろお安い御用やし!」
「本当に、最近の子はすごいわね〜。お仕事、なにしてるの?」
zm「あー…。軍人やで。」
「あら…。そうなのね…。」
軍人ほど酷い仕事はないと、こういう反応をされて改めて再確認してしまう。
俺としては、人を殺してしまうことは後ろめたくも、
いつもアドレナリンのおかげか、はたまた楽しんでいる俺がいるのか
中々普段の生活で思うことはない。
ただ、エミさんの話___とある国の心理科学者が出した論文らしい___によると、
例えば、平均的な射程距離で50%の命中力を誇る銃を持った部隊がいたとしよう。
敵と遭遇したとしても殺傷率は約1%にしか満たない。
残りのほとんどは非発砲や無駄打ちを行ったそうだ。
ようは、戦争中も戦争後も人一人殺せばそれが永遠に付き纏う仕事だ。
だからこそ、国民から見てもそうだ。
直接剣を振るって人を殺した人は犯罪者と冷たい目で見られ、
戦闘機で多く人を殺した人は英雄として奉られる。
zm「え、おばちゃん何しとんの!?」
「ここら辺にね〜お兄ちゃんにあげたい物が…、
zm「それぐらいやったら俺やるって!」
ふらふらの腰が心配で、半ば強引に変わる。
がっしりとしたアンティークの棚から、古びた箱を床に下ろす。
中から取り出したのは、最近はなかなか見なくなったフィルムカメラ。
進んだ技術を持った同盟国により、
カメラやテレビ、ラジオなんでも新しく便利に進んでいる。
「はい!あげるわ!」
zm「え、ええの!?最近はあんま手に入らんのに…。」
「いいのよ〜!お兄さん、いっぱい思い出残してきなさい!」
zm「おばちゃん…!!ありがとうな!!」
どうやら、もらったカメラは一眼レフカメラらしい。
___俺には分からなのでエミさんに聞いただけだが…。___
本部基地に戻って、早速使いたくてうずうずする。
だから、
zm「やからシャオロン、どっか行こうぜ!」
sha「…は?」
ーーー
お久しぶりです。
セルロイドに固定は難しいので設定放棄。
zmさん中心にいろんな組み合わせで出掛ける話。
___本文途中にて
戦争における「人殺し」の心理学
デーヴ・グロスマン著 安原和見訳 ちくま学芸文庫 より一部引用。
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