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目を覚ますとカーテンから差し込む光が眩しかった。
「朝だ」
寒く、凍りつくような温度の部屋で、その身体を引き上げるのは難しい。
いや、難しいのでは無く、自分自身が起き上がりたくないという気持ちに負けている。
嫌々身体を引き上げカーテンを開ける。純白で快晴の景色が広がっていた。
「いつからだろう、こんな寒さに変わったのは」
そうだ。元々こんなに寒い場所ではなかった。私たちの住んでいる地球は、
幼少期の頃は暑く、過ごしやすいか、と聞かれれば皆そんなことあるわけない。
と言うほどの灼熱の地域であった。冬も寒いと言われれば寒いが、凍りつく、
痛い、風邪をひいてしまうかもしれないほど寒い。と思っていたがそれは違った。
あまり覚えてはいないがその頃は確か2026年頃の話だった気がする。
今の西暦は2090年代。二十世紀が終わり二十一世紀が始まろうとしている。
この地球に最初の変化があったのは2044年。私達の地球では、全世界の医者、
科学者達が集められ。不死の薬が開発された。
薬は上手くできている。100年のサイクルの中で、しっかり歳を取り、150歳に
なると。私達の体は子供へと約10年のサイクルを重ね元通りになる。
薬の使用は各国首脳によってしっかり認められている。
全世界の人達は、歴史を語り継ぎ、人口を増やし、新たなる星の開拓も進める。
地球外に住む人も現れるようになった。それが第一の変化。世の中では
「不老不死革命」なんて呼ばれていたりする。
第2の変化が起きたのは2085年。これはつい5年前の話だ。むしろこっちの方が
本題なのかもしれない。その年は特に涼しく、夏は例年の猛暑に比べ約9℃も引くく、
冬は灼熱の地域でもその日の最高気温が21℃と記録的な大寒波が訪れたと全世界に
報じられるほど驚きの年だった。そして、それは現在まで変わらず続いている。
地球の人々はこの気候に慣れてきたのか今はこれが日常茶飯事だ。
地球の人々はこの出来事を「氷河期再来」と名付けた。
現代に戻ろう。「あぁ、そういえば今日は冬休みだった。」
今日は外にある友の家に行く事を思い出した私はカバンを手に取り、
暖かいコーンポタージュとクロワッサンを食べ、着替えをスっと済ま
せると、足早に家を去った。
「あぁ、早く遊びたいな」
そんな事を考えながら、私は暖かい朱色の自転車を漕いだ。
続