コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
山本麹が戦場に降り立った瞬間、場の空気が一変した。視線が彼に集中する中、彼の冷徹な瞳は一切の動揺を見せなかった。
それどころか、彼が持つ恐ろしい力を放出し、周囲の呪霊や戦闘員たちを一瞬で圧倒していった。
「お前たち…どこまで…!」
山本の声が空気を震わせる。だが、戦場の動きはその瞬間に停止した。彼の中で何かが、予期し得ぬ形で暴走を始めていた。
それは、彼が長年抱えていた内なる葛藤の結果、心の均衡を崩すきっかけとなった。
突然呪力が暴走を始める。それは人間の手に負えない荒れ狂う波のように、辺り一帯を圧倒する勢いで広がっていった。
「発狂してる…?」
伏黒がその異常な力を感じ取ると、彼は驚愕の表情を浮かべた。周囲の呪霊や戦闘員たちも、無意識に後退を始める。
「これが山本の力か…。」
他の呪術師たちもその状況に気づき、静かに立ち尽くしていた。だが、その暴走の中で、山本は冷静に口を開いた。
「戦いは…まだ終わらない。延期だ。」
その言葉に、周囲は一瞬沈黙した。すべてが止まったかのような静けさが広がり、やがて宿儺がその場に現れる。
宿儺の眼光は鋭く、戦いを待ちわびていた。
宿儺は山本を見つめる。表情には戦士としての本能が表れており、彼の中で戦いへの欲望が静かに燃えているのが感じ取れた。
「延期か。興味深い…戦いを好む者としては、君の判断も一理ある。」
宿儺はゆっくりと、しかし確かな言葉で答えた。その視線が、山本に向けられたとき、彼の中で何かが高まり始めた。
「だが、君の選択がどうであれ、最終的に決着をつける時が来ることは避けられない。」
宿儺は自身の冷徹な戦士の精神を隠さず、戦いを楽しみにしている様子を見せた。
彼の瞳は、山本が何を選ぼうとも、戦いが迫っていることを確信していた。
山本が息を呑む。暴走しかけた呪力が次第に収束し、彼は意識を戻しつつあった。そして、その冷徹な視線が宿儺に向けられた。
「12月25日…その日に決着をつける。」
山本の言葉には強い意志がこもっていた。それを聞いた宿儺は静かに頷き、満足げな表情を浮かべる。
「良いだろう。正々堂々と戦おう。だが、私にとってはその日が来ることがすでに楽しみだ。」
その言葉と共に、二人の間に緊張感が走った。そして、周囲の戦闘員たちや呪霊たちはその場を離れ、準備が進められていった。
12月25日まで、残された時間は刻一刻と迫っている。
山本、宿儺、そしてそれぞれの仲間たちが、戦いのためにそれぞれ準備を整え始める。だが、準備の裏で、計画が進行していた。
伏黒や他の呪術師たちも、次第にその戦いに向けた心構えを固めていく。
山本がどのように戦い、宿儺との対決がどのように展開するのか、誰も予測できなかった。
その日、すべてが決着を迎える。