コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
まるで、私の考えを知っているかのように夏輝は、
「――未來、外に出すから……いい?」
「――ッ」
挿れていいかを聞いてきた。
狡いよ。今そんなこと聞かれたら……断れないよ。
私も同じことを思っていたから、迷いは無かった。
大丈夫、ナカにさえ……出されなければ。
自分に言い聞かせるように繰り返すその言葉。
リスクでしかないのに、私にはもう、今気持ち良くなれれば、それでいいという感情しか存在しなかった。
「……うん、絶対ね?」
「分かってる、約束する――」
「――っんん、」
私の言葉を聞いた夏輝は嬉しそうに笑みを浮かべて優しく頭を撫でてくれると、唇を塞ぐ。
それが合図だった。
深い口づけを交わしながら互いを求め合う。
そして、夏輝が浴槽の淵に腰掛けると、
「未來から挿れて?」
「――ッ!」
私から挿れるよう強請ってくる。
狡い、夏輝は本当に狡いと思う。そんな風にお願いされたら、断れない。
「…………んっ、」
お風呂場は部屋と違って明るくて、前からはちょっと恥ずかしかったから後ろ向きで夏輝のモノを挿れていく。
濡れているからすんなり入ったけど、それはそれで恥ずかしい。
「……っん、……未來、……自分から動いて?」
「……う、ん……」
後ろから耳元で囁かれ、胸を揉まれながら自ら動くよう指示された私は彼に従いゆっくり、自ら腰を振っていく。
浴室は部屋と違ってとにかく音が響くからなのか、動くたびにぐちゅぐちゅと音が聞こえてきて、それが更に互いの欲を掻き立てていく。
「浴室って、音が響くからいつもとは違う感覚になるよね? 未來のここ、すごい音立ててる」
「……っ、や、……そういうの、……いわないで……っ」
「何で腰動かすの止めるの? 俺、良いって言ってないよ?」
「――ッあぁ!」
話しかけられたから動きを止めて答えただけなのに、夏輝は私の腰を掴むと強引に動かしてきたので、その刺激に耐え切れずに私は大きな声を上げてしまう。
「未來の声もよく響く。可愛い声、もっと聞かせてよ。ね?」
「あっ……」
耳元で囁くように言った夏輝は繋がった状態で立ち上がると私を浴槽の淵に掴ませるような形に持ってきて、
「――っあ! やっ! だめぇっ!」
後ろから奥深くを突いてくる。
肌と肌がぶつかり合う音と厭らしい水音が響いて聴覚的な興奮が得られるわけだけど、音というのは不思議なもので、視覚的興奮よりも身体がゾクゾクと反応するような気がしてならない。
「――未來、……締め過ぎ……っ」
「ん、………っあ、……あっ」
しかも、後ろからだと無理矢理されてるみたいで更に興奮度が増していく。
でも、夏輝の顔、見たい……。キス、して欲しい……。
これまで、エッチをしているときにそんなこと、思ったことは無かった。
互いに気持ち良くなれればそれでいいと思ってた。
だけど、夏輝相手だとそれだけじゃ物足りない。
顔を見て、キスをして、
もっと、もっと、
身も心も深く繋がりたいと思ってしまう。