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毎日が同じ日のように思えてくる僕。
学校に行って、帰って、ダラダラして、また今日が終わる。
たまに休日が来て、ずっとだらだらして、また平日に戻る。
そんな日々が本当につまらなく感じる。
今日はバレンタインの次の日。
ある程度バレンタインの騒がしさは過ぎた日の休日。
ゆっくりスマホでSNSを見ても、バレンタインの告白に成功した人や、失敗した人、貰えなかった人や、貰えた人。沢山いる。
「あーあ、僕も貰いたかったな〜。」
思わず心の声がもれてしまった。
「ん?」
ベッドの上でスマホばかり見ている僕の元に、目の引く無料占いの広告が流れてきた。
<つまらない日々をお過ごしの皆様に、ほんの些細な幸せを。無料版は6ヶ月継続。有料版は2年継続。>
と、書いてあった。最後の文章には違和感を感じるが……。
僕は虚しさからなんとなく無料版の占いをしてみた。
サイトに飛んでみると、生年月日と悩みを書き込む欄があった。
「僕は20××年生まれで、誕生日は、5月25日………。悩みは…。」
悩みという悩みは思いつかない………。
ならいっそ、今の気持ちを書いちゃえ!
という訳で、
「つまらない日々に終止符を」っと。
なんとな〜く、かっこよく書いてみたぜ。
まあ、かっこよく書く必要なんて無いけどな。笑
なんて思っていたら早速結果が出てきた。
(結果出るの思ってたより早いな…)
結果にはこう書いてあった。
〈これからきっと色づいていくような日々を過ごせるでしょう。行動するより待つべし〉
そう書いてあった。
「”待つべし”か………。ホントなのかな」
半信半疑でいる僕のところに暇もなく、突然
1件のメッセージの通知がきた。
幼馴染で友達の朱音(あかね)からだ。
【私と家近かったよね?碧くんの家から1番近い公園来て!今から打ち合わせするよ】
僕の名前は、赤崎 碧(あかさき あお)
朱音からは碧くんと呼ばれている。
そもそも、打ち合わせってなんだ?なにか朱音と打ち合わせするようなことあったか??
わからない。
なぜ呼ばれたのか。
とりあえず今から向かおう。
準備をして公園に向かう。その公園は本当に近いので家からも見える。小さな公園だ。
と、ブランコの前に朱音が居る。
寒い中待たせるのは申し訳ないので駆け足で向かう。
「やっときた!ずっと待ってたのに。」
「ごめんごめん。」
「まあ、5分くらいしか待ってないけどね。」
「5分も待たせたのか。」
「まあまあ、そこはどうでも良くて、なんで私が呼び出したか分かる?」
「わからん。そもそも打ち合わせって何?」
「まあ、そう急ぐなって。」
「寒いから早くしてくれ」
「そうだな。すまん、とりま聞いてくれ」
「なんだ?」
「実は、同じクラスの澄夏ちゃん、碧くんの事好きらしいよ。」
それを聞いた僕は唖然として言葉も出なかった。
なぜなら、澄夏(すみか)ちゃんは僕が高校の入学式の時に一目惚れして、澄夏ちゃんに彼氏がいることが分かって諦めた子だからだ。
「澄夏ちゃんのこと好きだったでしょ?嬉しいだろうと思って、反応が見たかったから呼び出したんだよねー」
「あ、あ、そうなんだ」
「澄夏ちゃんが碧くんの事好きなの、どう思う?一目惚れしてたんでしょ?」
「嬉しい…でも、なんで今なんだ?昨日はバレンタインだったのに」
「それが、澄夏ちゃん、碧くんにあげるの緊張して、碧くんに作ってた特別なチョコを1番仲のいい友達にあげちゃったんだってー」
「まじかよ」
「まじだ。」
「ちなみにこれは、澄夏ちゃんからは口止めされてるけど、碧くんも澄夏ちゃんが好きだったのを思い出して、言った方がいいのかと自己判断で言わせていただきました。」
「それダメだろ」
「もう言っちゃったし、引き返せないね〜」
「はあ…。」
「とりあえず言いたかったのはこれだけ。もう寒いし家帰る。バイバイ」
「分かった。バイバイ。またな。」
そう言って朱音と公園で別れたあと、僕は家に帰った。
僕はこんな感じだけど、年齢=彼女いない歴だから、人から好かれて正直嬉しい。しかも一目惚れしてた子からの好意なんて…。
また惚れ直しそうだが、意外とそんなことはなかった。
そんなこんなで、今日が終わった。展開が早すぎる気もするが、とりあえず、あの占いはほんとに当たるのかもしれない。なんとなくそう思った。そして、少し面白そうな日々が始まる予感がした。
ーーーーーーー2日後ーーーーーーーーーーー
はあ……。
あれから何か起きるわけでもなく普通の平日がやって来た。
やはりあの占いは無料なだけあって当たるとは限らないよな…。
勝手に期待して勝手に落ち込んでる自分が馬鹿らしく思えてくる。
登校中のいつもの風景。いつもの電車。
いつもと同じ時間に着く学校。
生きる目的や目標も無いのに生きている僕。
なんとなく過ぎていく毎日。
そんなことを考えながら、教室の自分の席に座って水分補給をする。
喉も潤ったところだが、まだ親しい友達も来ていないので、寝たフリでもしておこう。
(あ〜、もう!今すぐ帰りたい。授業めんどくさいなあ。月曜日がいちばん憂鬱なんだよ、そもそも学校に来る目的が勉強ならば、オンラインでも良くないか??わざわざ学校に来る必要性………)なんて心の中で呪文のように唱えていた。
「ねね、連絡交換しようよ」
急に誰だ?こんなことを考える僕に対してかける言葉なのか??いや、僕の今考えていることが人に分かるわけない。そりゃそうだ。当たり前だ。しょうがない。………。え?連絡?え?誰だ??
「聞いてる?」
「あ、うん。聞こえてる。ごめん」
「連絡先。交換しよ」
「え、なんで…?」
やばい。誰かと思えばあの”澄夏ちゃん”の1番仲のいい”前園 唯華”だった。
僕は前園さんと呼んでいる。あまり親しくないからだ。
「なんでって…。別に理由なんかなくてもいいじゃんね?」
「そこまでして繋げたいの…?」
「え、悪い?繋げたくないならもういいや。」
「い、いや、繋げよう」
じわじわと感じる圧が怖くて思わず言ってしまった。
「じゃあQRコードちょうだい」
「うん、わかった」
「さんきゅー、じゃあまた〜」
うわ、繋げたら颯爽と戻って行ったぞ。
あれ、澄夏ちゃんも居る。
…………澄夏ちゃん、こっち見てないか?
いや、きっと気のせいだ。やめておこう。
少しドキドキしている鼓動が鳴り止まない。
この気持ちって恋なのか?
いや、でも恋なんかしたくない。
恋愛のトラウマなんて、最悪だからな。
とりあえず今日の授業は寝よう。単位とか評価とか、今日は気にしないで寝よう。
もう平和がいい。やっぱりなにかが起きる日常より、面白くない平凡な日々を送った方がいい。そう思い、眠り着いた。
※この物語に出てくる名前などは、実際に存在する個人や団体に一切関係の無いお話です。気楽にこの物語を楽しんで欲しいです。
作者より。