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久美の蒼々
何も考えられないような、ウザったらしい気分にまみれながら、やけに眩しい太陽を見て起きる。
いつも通り朝はご飯にふりかけ、昨日の残り物。
毎日同じルーティンに呆れてふりかけを盛大にこぼす。ふりかけをティッシュで集めながら自分の存在価値を図る。図り誤る。
目眩と頭痛に殺されながら出社。
同じ時間に電車に乗る学生を少し羨ましい気分でみて、蒼になる。
君は今何をしているだろう。そんなこと考えてまた、蒼くなる。
電車が着いて、降りようとすると立ち上がった勢いの目眩で転けそうになる。ハイヒールじゃなくて、良かった。
会社では昨日残してしまって怒られた仕事があるから朝のうちに終わらしてまた怒られに行く。
理不尽という言葉にふさわしくない自分を会社のトイレの鏡で見て笑う。愛想笑いもできない自分はこうやって笑顔を練習するしかない。
“暗い”と周りに言われるが、電気が暗いのはスイッチが 入ってないからだ。と言って通り抜けてきた。
会社が残業代を出さないくらいの時間で終わると、急いで駅に走ってまた転けそうになる。今回はちゃんと転けたけど。
胸と膝の痛さを感じながら何とか電車に間に合う。
走って乗車した時の視線は大嫌いだ。
家に帰るとすごく簡単に味噌汁を作って冷凍してた鮭を焼く。2枚焼いたので1枚は明日の朝ごはんにしようとか思いながら鮭を焦がす。次からはタイマーを使おうと思った。
大して美味しくない夜ご飯を食べてお風呂に入る。
読みかけだった本を読みながら最近人気の歌を口ずさむ。うろおぼえ。
本は全部読めなかった。
歯磨きをして寝る直前は1日を振り返る。
最悪なことは覚えているが、いいことは覚えていない。悲しくなった。もしそのいいことに人が関わっているんだとしたら余計に申し訳なくなった。蒼い気持ちのまま眠りにつく。0時くらいに。