――戦場に、嵐が吹く。
詩音が笑いながら刃を振るい、葵が冷ややかに幻を操る。その最中、ガァンッ!!と、壁が吹き飛んだ。
「悪いが、そろそろ終幕の時間だ!」
全身鎧の巨人――バルドが、巨大な戦斧を振りかぶり、乱戦の中に突入する。
その隣には、大きな絵筆を構えた主の姿があった。
「……おいおい、余計な客が増えたなぁ。」詩音が口笛を吹く。
「”余計”とは心外だな。」バルドが堂々と踏み込む。
「俺はただ、主を迎えに来ただけだ。」
主は戦場の混乱に目を泳がせながら、ギュッと絵筆を握りしめた。
「……迎えに? でも、私は……!」
「悩んでる暇はない!」バルドが吼える。
「お前が行くべき道はどこだ!? ここで無駄に血を流すことか? 違うだろ!」
主は息を呑んだ。バルドの言葉は、雷のように胸を打つ。
「ふーん……じゃあ、お別れの挨拶くらいはさせてもらおうかなぁ?」
詩音がナイフを舐めながら、ゆっくりとバルドと主を見据える。
「お前らみたいな”普通の奴”が、私に首突っ込んでいいのかぁ?」
「ほざけ。」
バルドは戦斧を振り上げる。
同時に――主が絵筆を走らせた。
「滅罪、赦免、贖罪、浄罪、神裁。」
――水が湧く。巨大な波が、詩音を包み込もうとした。
しかし――
「ははっ、面白ぇ!」
詩音はそのまま、狂ったように笑いながら飛び込んできた!
三者の刃が交差する。
コメント
2件
おぉ…!!バルドさん来たぁ!!!(バトルどうなるんだ…!?✨続きも楽しみです!!✨