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ハーマイオニー『アリス!アリス!』アリス『わっ、ってハーマイオニー!』意識が戻って来た時に一番に視界に飛び込んできたのは親友のハーマイオニーの顔だった。ハーマイオニー『アリス、貴方三日は寝てたわ!何があったの!?』ふとハーマイオニーの横を見ると、こちらも心配そうな顔をしたハリーとロンが、わたしを覗き込んでいる。ハリー『アリス、大丈夫?凄く苦しそうな顔をしていたよ?』ロン『君三日も寝ていたんだぜ?だから汽車まで運ぶの大変だったよ。あ、もう少しで着くって感じだから。』ロンはそういうと肩が凝ったかのようなジェスチャーで表した。体を起こすと毛布がずり落ち、感覚が戻ってきた。汽車がゴトゴト動く音が心地よい。外は曇っていて、楽しい気分にはなれなさそうだ。ハーマイオニー『アリス…?貴方、目の色が戻っているわ!』アリス『え…?どんな感じだったの?』おずおずとロンが口を開いた。ロン『なんというか、その…色が薄くて…濁っている感じ。』なら、何で戻ったのだろう、アイツを撃退したからか?まあいいや。アリス『ハリー、ところで…貴方いつきたの?』ハリー『あ、ええと…』ハリーが答えかけた時、ロン『それがね…』
アリス『マグルの街に?ディメンターが?』思わず聞き返してしまった。ハーマイオニー『ええ』信じられないようなことだろうけど、とハーマイオニーは言いながらわたしにオレンジペコの入ったティーカップを渡してきた。ああ、温かい。さっきのはとても毒々しかった。ロン『ホント腐っているよな、魔法省は何をしているんだ』頬を膨らませて、ロンはぶー垂れて肘をつきながら言った。ロン『そう考えたらダンブルドアも水臭いな、何でハリーに教えなかったんだ?』ロンの言葉にハリーもハーマイオニーも頷いている。確かに不死鳥の騎士団のことは重要だから伝えていてもおかしくない筈だ。沈黙が長引き、ゴトゴトという汽車の単調な音が鳴り響いた時、話題を変えるようにハーマイオニーは切り出した。ハーマイオニー『まあ、細かいことは後で考えましょう。もうすぐつくでしょうし』ハーマイオニーの言葉に、ロンもハリーも同調している。わたしもそうするべきだと思い、不意に窓の外を見上げた。厚い雲が覆ったどんよりとした空は、心に蓋をしたかのように明るい気持ちを覆い隠した。
荷物をおろし、鳥籠の中からニーファを出してやった。籠から出たニーファは飛び去ろうとせず、心配だったと言わんばかりにわたしの耳をかじり、肩に止まった。仕方がないので、トランクはフレッドとジョージに出してもらった。4人で並んで歩いていると、聞き覚えのある声がした。ドラコ『魔法省がお前を野放しにしているとはな。今のうちだけだぞ。いずれアズカバンに、お前の名が刻まれる…』ドラコがそこまで言った後、ハリーが殴りかかろうとしていた。その時、ロンがハリーを羽交い締めにして動けなくしたため、争いは免れた。ドラコ『見ろ!』ゴイル『イカれてるや…』ドラコの友達や、スリザリンの生徒が口々に言った。ハリー『僕に近づくな!』ハリーは大きい声でそう言った。わたしは、歩いていくどこか悲しさを背負った少年の背中に呼びかけた。 アリス『ドラコ…』一年ぶりぐらいに、彼の名を呼んだ気がする。思ったより自分の声は沈み、悲しかった。ドラコは振り返り、私を見つめた。心なしか、彼の瞳からは辛さと悲しみが伝わったような気がした。ドラコに聞きたかった。貴方は何をみたの。何を隠しているの?喉まで上がった疑問を呼吸と共に飲み込んで、ハリーたちの方に戻った。ロンはハリーを宥めていた。ロン『たかがマルフォイだろ。本気にするなよ…』遅れてはいけないので、私たちは道を急いだ。