_______【選択肢B】ガ選択サレマシタ.
おや、帰るのかい?……まあ、止めないけれど。
忘れ物には気を付けて。
[意外にすんなりと返してくれた。私が感じていた違和感は全て杞憂に過ぎなかったのか?]
それじゃあ、また会おう。
……-ぐ-会-ことにな-と-うけ-ね。
[小声で言った言葉は、私にはよく聞こえなかった。]
『パスポートをご提示ください』
[■■と□□を渡るのに必要なパスポート。これを手に入れるのにどれだけ苦労したか……
?!……パスポートが、無い……
置いてきてしまったのだろうか?]
『どうなさいましたか?』
[私は滞在先に置いてきたと言って道を駆け戻った。
夜明けが近いので急ぐようにという忠告の声が、頭の中で鳴るように響いていた。]
おや、どうしたんだい?そんなに慌てて……君がお探しなのは、もしかして、”これ”のことかな?
言っただろう?「忘れ物には気を付けろ」とね。
[杞憂ではなかった。なんという事だろう。最初から彼に盗られていたのだろうか?]
ふふふ、そんなに絶望しなくても、ちゃんと返してあげるよ……
お話を聞いてくれたら、ね。
[どうしようが、結局話を聞く羽目になっていたのか。腹黒い奴だ。本当に。
まずいことに、行き返りで既に1時間過ぎてしまっている。夜明けまであと1時間しかない。
どうする……話を聞くしかないか?]
【コレニツイテ,読者ノ皆様ニ選択権ハゴザイマセン.】
〈A-1〉ニ,オ進ミクダサイ.
話を聞いてくれるのか。それはありがたいなぁ。
さ、冷えるから早く中へ。
[30分以上になる話だったら、断りを入れて帰らせてもらおう。彼も分かってくれるはずだ。
きっと……]
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