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「…何その言い方。僕が全部悪いみたいに言いやがって本当の事じゃないか!!
やっと僕たちは見つけてもらえなのに。
沢山の人に求めてもらえているのになんでこの大事な時期にそんな病気になっちゃうのさ…!!
若井はいつもそうだよね。1番大事な時期に体を壊す。もううんざりだよ」
「そうかもしれないけど…あんまりだよ
そんな言い方。僕だって好きでそうなった訳じゃないし。本当は僕だってまだまだ元貴達と歌を届けていたいし、まだ生きていたい。死にたくなんかない!! 」
「じゃあ治せよ…死なないでよぉ…」
元貴の涙を僕はその日久しぶりに見た
…綺麗な涙だった
「…僕はミセスを脱退する。いつ報告したらいい?」
「…やるなら今しよう。涼ちゃん呼んでさ」
「わかった」
10分くらい経っただろうか涼ちゃんが来た
…その10分間僕らは一言も言葉を発さなかった
涼ちゃんは戸惑っていた。なんで呼び出されたのかわかっていなかったのだ
「涼ちゃんさっきはごめんね。あんなこと言って。僕が悪かった」
「いや…別にいいよ。大丈夫。僕もごめんね
…何があったの?」
「若井が大事な話あるって…僕からできる話じゃない 」
「何?どうしたの?…若井」
若干気まずそうに涼ちゃんは僕の名前を呼んだ。
前までは嬉しそうに僕の名前を呼んでくれてたのになぁ…笑
「えっと…僕実は余命宣告されててもう永くないんだ。もって1ヶ月らしい」
「…え?」
元貴同様、涼ちゃんは訳が分からないというような顔をしていた
「本当に?冗談じゃなくて?」
そう涼ちゃんは目にいっぱいの涙をためて聞いてきた
「うん。ごめんね?
だからミセスは今のうちに脱退しようと思う。迷惑かけるけど…」
「体は?大丈夫なの?今は辛くない? 」
「…うん」
なんで今更僕に優しくするんだ
こんな思いをするくらいなら…突き放される方がよっぽどマシだった
「今からその報告をする予定なんだけど」
元貴がそう言った
「そうだよね…早い方がいいもんね」
「ごめんね、迷惑ばっかりかけちゃって 」
「謝るのは僕の方だよ。最近冷たくしちゃってごめんね?」
涼ちゃんが謝ってくれた。
僕が1番欲しかった言葉
「僕もごめん。」
元貴まで…
あぁ脱退したくないなぁ…まだ2人と一緒にいたいなぁ
僕は知らぬ間に涙を流していた
「そうだよね…若井が1番辛いよね」
そう言って2人が背中をさすってくれた
…久しぶりに人の温かみを感じられた
それから僕たちは僕が脱退することをファンのみんなに伝えて、ひと段落を着いた
「若井がいなくなっちゃうのかぁ…
寂しくなるね…笑 」
涼ちゃんがそう言ってくれた
「今更かもしれないけどさ…3人でどこか行こうよ。最後の思い出作り」
元貴がそう提案してくれた
あぁ…僕ってこんなにも愛されていたんだ
なぁ。知らなかったや笑
「2人とも…ありがとう」
「今まで出来なかった分のお返し。
僕たちがしたいだけだからお礼はいらないよ?寂しくないようにこれからいっぱい思い出作ろう?」
「…うん! 」
それから丁度1ヶ月後、僕は28年という短い人生に幕を下ろした
元貴と涼ちゃんは悲しんでくれたかな?
最後まで僕を必要としてくれていたかな?
わからないけど…いい人生だった
思い残ることは沢山ある。高野のことだって…
でも最後に元貴達と話せたし次のギターを決めることも出来た。
僕の役目はもうない…さようなら