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若井が死んじゃってから僕の世界から彩りがなくなってしまった。
新しくミセスにはギターが入ってきてくれたけど何かが違う。物足りない
いい子ではあるんだけどね…
「…会いたいなぁ」
僕は少し後悔していることがある。
若井に冷たくしてしまった時期がある事だ
病気のことを知っていたら冷たく当ったりなんかしなかったし、ずっと一緒にいた
なんで若井は病気のことを僕らに隠したのか。今の僕には到底分からない。考えたくもない。
若井が…死んじゃったと信じたくない
涼ちゃんもそうみたいだった。
涼ちゃんも僕と同様若井が亡くなってから生気がまるでない。
まるで誰かに操縦されてる機械みたいに言われたことしかできなくなってしまった
若井が僕たちを置いていったせいで何もかもが狂ってしまった。
ミセスは今までのように続けることが出来なくなり、今は活動を休止させて貰っている。ファンのみんなには勿論、若井が亡くなったとは伝えられていない。
僕は今日、大きな事を成し遂げようとしている。
若井が生前、僕以外に連絡していた高野。高野に会いに来たのだ。
なんで連絡したのに来なかったのか。
何故連絡したのか。
僕はそんな高野が憎くてたまらなかった
若井がフェーズ1の時に高野に恋心を抱いているのも僕はわかっていた。
だからどうしても許せなかった
若井に冷たく当たっていた僕が言えることでは無いのだが…
「若井のこと楽にしてあげるからね…笑」
僕は包丁を握りしめて高野の家に向かった
「今から家行く。」
久しぶりに。本当に久しぶりに元貴から連絡が来た。…何故か嫌な予感がした
「どした?なんで? 」
そう送っても返信は無い。もう家を出てしまったのだろうか。困ったな
俺の隣ではマッチングアプリでヒットして共に1夜を過ごした女がすやすやと裸で眠っている
こいつとの時間を優先すべきか…それとも元貴を優先すべきか…
答えは決まっていた。いや決めさせられていた。もう元貴は家を出た可能性が高いのだ。ならば一刻も早くこいつを家から追い出すのが最善だろう。
俺はもう二度と会うことができないだろう女と別れ、部屋の片付けを始めた
元メンバーと言えど多少の礼儀はある
丁度掃除が終わった時、元貴が家に来た
「いらっしゃ… 」
俺 は見てしまったのだ。元貴の手に握られた包丁を
「どうしたんだよッそんな物騒なもの持って…」
「とりあえず家入れて…話はその後」
俺は言われるがまま元貴を家にあげた。
「どうしたんだよ。そんな死にそうな顔して。真っ青だぞ?」
俺は恐怖心を誤魔化そうと必死に元貴に喋りかけた
「…若井が死んだ」
は?若井が?
脱退したのは知っていたが死んだ?
「病気だったんだって。余命宣告もされてたみたい。気づけなかった…笑」
そう言って元貴は今日初めて俺の前で笑った。自傷気味に
「でもッ前連絡した時は元気で…会おうって言ってたぞ…?」
「会ってないじゃんかッ!お前が明日会いに行くって連絡したのにあってねぇじゃん、!!
若井はどれだけ傷付いたんだろうね?
どれだけの時間若井はお前なんかを待っていたんだろうね?…最っ低 」
確かに俺から連絡した気がする。
会おうって…でもその日は違う女の子との約束が入っていてしょうがなく若井を切り捨ててしまったのだ。しょうがないのだ
「そんなつもりはなくって… 」