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Chapter1
庭先のローズマリーと蓮が風に揺れている。
正直お花の水やりとか面倒で大変だからやりたくないんだけど
重い体を引き摺るように如雨露を持って水をやる。
やらないと、枯れちゃうらしいの。
お店の雰囲気のためにも・・・・うん。
やっぱりお花があったほうが彩りとかいいものね。
余談はこれくらいにして、三途の川って知ってる?
日本の古い文献には”死んだ者が三途の川を渡ってあの世に行く”みたいな風に伝えられてると思うんだけど・・・。
つまり、三途の川っていうのはあの世とこの世の中心にある川ってこと。
このお店の名前を思い出してみて。
三途の珈琲店。
その名の通り三途の川の麓にある珈琲店。
文献だと、川を渡ったあとは天国か地獄に逝くか、閻魔様に決めてもらうってなってるでしょうけど、
決められるまではこの三途の珈琲店に居られるの。
とはいえ、閻魔様は暇人だからすぐに決められてしまうでしょうけど・・・。
ん〜、店内も見てみる?
さっき死者について話したけど、死者の情報は全部ここに載っているの。
私達はこの本を 死者帳 と呼んでいるわ。
ちなみに私の正体は・・・・。
後々解ると思う。
でも1つだけ。人間でも霊でもない。ただそれだけ。
Chapter2
漫画とかだとよく、『遅刻遅刻〜‼』ってパン咥えて走るけど
イマドキの女子高生はんなことしてる場合じゃない。
ラ◯チパックかばんに入れて、いってきます も言わずに チャリに跨り猛ダッシュ。
そんな遅刻遅刻〜って言ってる場合じゃない。
それにしても私の通学路には陸橋があるから、上りはキツイし
下りは危ないし。もー大変だよ。
やっとのことで学校に着くと、階段を駆け上り教室に飛び込む。
愛理 「あ〜。美琴がまた遅刻寸前〜。」
私 「ハァ愛理マジそういうのハァいいって・・・・」
愛理 「まともに話せてないじゃんww」
ムッとした私は愛理を小突く。
この子は鈴木愛理。
私の親友で、気分はいつだってルンルン♪系な脳天気女子。
友だちがいっぱいいて「人生勝ち組〜」みたいな?
実際愛理は一軍女子だし、勝ち組かも。
美緒 「愛理?トイレ行こー」
愛理 「美琴も行こー」
私 「あー、OK 行く〜。」
美緒は磯崎美緒という名前で見るからに一軍。
常に周りには連れがいて、先生からも好かれている。
トイレには一軍が集まっていた。
岩田ひかり、磯崎美緒、鈴木愛理、久森麗。
まぁ、いつものことだし。
朝のホームルームまでの時間はここで
”先週イヨンモールで〇〇買った〜”とか、
”塾辞めた〜”とか。
他愛もない話。
私が一軍の仲間に入れたのは愛理のおかげ。
愛理は幼稚園からの幼馴染でその頃から一軍だった。
私は基本愛理の補佐役みたいな?
なんていうか、そんなだった。
虐められていたわけではないし、勝ち組だったわけでもない。
そして小学校に入り、ある程度グループが出来始めた頃、愛理が
一軍に誘ってくれた。
愛理には感謝しか無いなぁって、つくづく思う。
でも数日後、事件がおきた。