「今日から此処がお前の働く場所だ。」
男が目の前の店を指差す。
目の前を見ると、とても華やかな店があった。
あまりにも輝いていて、綺麗でつい見惚れてしまう。
「おい、早く入るぞ。」
此方を見て、そう言うと、男はのれんの中を通って行く。
「あっ、はい!」
俺は急いで男の後に続く。
中に入ると、先程よりも輝いていて、目がチカチカする。
すると、着物を着た白銀の髪をした人が此方に
駆け寄って来た。
「あれ〜?まろちゃん、新しい子連れて来たん?」
俺の顔を覗き込みながら言う。
この人誰なんだろう、男の知り合いなのだろうか?
それにまろちゃん、?
「おい、初兎、お前仕事はどうしたんや。」
少しばかり苛立ちながら男が言う。
「ふふっ、そんなんもう終わってるって、まろちゃん怖いな〜、。」
と言い、その人は着物の袖で口を隠しながら笑う。
その仕草に何処か品の良さを感じた。
その人はもう一度此方を見て、
「じゃ、君、まずお風呂の入ろっか。体汚れてそうやし。」
そう言い、その人は俺の手を取った。
「初兎、そいつお風呂に入れ終わったら、言えよ。」
釘を刺す様に男が言う。
「はいはい、分かってますって、。じゃ、行こっか。」
その人は俺の腕を掴み、お風呂があるであろう方向に進んで行く。
俺は後ろを見て、去ってゆく男の後ろ姿を見た。
「ないちゃん、結構汚れてんな〜。」
俺の頭を洗いながら、初兎さんが言う。
「、すみません、。」
俺は何だか申し訳なくて頭を下げる。
「いや、いや別に良いんやけどな。よしっ!綺麗になったっで!」
綺麗になった俺の体を見てそう言うと、湯船まで連れて行かれる。
お湯に入る前に初兎さんが湯を掻き混ぜる。
「、、うん、よし。あ、入っていいよ!」
どうやらお湯の温度を確認していた様だ。
「失礼します、。」
俺はゆっくりと足先から湯船に浸かる。
とても温かくて体がポカポカとしてくる。
「ないちゃん、そんな敬語使わんでいいって。もう、僕ら友達やん笑。」
と初兎さんが苦笑する。
「あ、じゃあ、初兎ちゃん、//」
初めて出来た友達の名前を呼ぶのはちょっと照れくさくて、
思わず顔が赤くなってしまう。
「、!、ふっ、ないちゃん可愛えぇな。」
顔が赤くなっている俺の頭を優しく撫でて、初兎ちゃんが言った。
その優しい触り方が何処かお母さんと似てて安心する。
俺は暫く湯船に使った後、
「あのさ、俺今日から此処で働く訳じゃん。どういう仕事するの?」
俺は此処で何をしたら良いのかまったくもって分からない為、
と初兎ちゃんに聞く。
「、、、、、、。」
急に黙り込む初兎ちゃん。
「、、?」
暫くすると初兎ちゃんはようやく口を開き
「、、此処で話したら長話になるから、お風呂上がろうか。」
と言った。
俺はその一言にこくりと頷く。
この時、俺はまだ知らなかった。
自分がこれから此処でどんな風に働いていくのかを。
コメント
7件
くっそ続きが、気になる…🙃🙃 どういう仕事なんだろ…🤔