第2話ー!!!!
ちなみに全員女の子です。うふうふうふうふ♡
リリカ
「…………」
コンコン。
ミスカ
「リリカ?入るわよ。」
リリカ
「…ミスカ………」
ミスカ
「今日は休むって言ってきたわよ。
ついでに私もズル休み。ふふっ」
リリカ
「んえ、いいんですか?
メイド長ならわかるんじゃ…」
ミスカ
「副メイド長だから大丈夫。
それよりも、新しい遊びを教えてあげるわ。
ほら、机片付けといてね?持ってくるから。」
リリカ
「…はい」
私がベッドの縁から立ち上がって片付けようとしたのを確認してからミスカは部屋に用意を取りに行った。
リリカ
「…あ………」
スカートの糸くずを切ったまま、机の上に置いていたのを思い出した。たった少しの、白の糸くずでもミサンガを連想して、マルッシェの事を思い出してしまう。
早く忘れなければ……。
今日はお仕事が割り当てられました、
私のお仕事は洗濯をする事です。それに洗濯だけじゃなくって、空いてしまった穴を縫ったり…色々します。
でも、もちろん他にもあるんですよ。
例えば、掃除はみんなでするけれど、料理を作る人、あとは治療する人とか…沢山います。
マルッシェのことは辛かったけど、心機一転、がんばります!
???
「おいグズ新入り、何故手を止めている?!早く洗え!」
うっ、おしりを蹴られました。
リリカ
「は、はいぃぃいっっ!」
…………頑張ります。
さっき私のおしりを勢いよく蹴ったのは洗濯係のリーダー、ストラッツさん。 威勢がよくて、強そうに見えるけど実はメイドの中で2番目に背が低い人らしいです!あとは、髪の毛の色がピンクですごくわかりやすいです!
ストラッツ
「違う!その汚れはこっちの青の洗剤だって言っただろ!」
リリカ
「ご、ごめんなさい!」
そういえば、他には居ないのかな?ストラッツさんと私以外居ない…
ストラッツ
「チッ…ナコル、あの野郎…新入りは要らねぇって言ったのに…」
と言って洗ったものが入ったカゴを取って、外に出ていくストラッツさん。
いつの間にこんなに洗ったっけ?
今日は暑いから、大変だろうなぁ。
手伝いたいけど、きっと怒られる。でも…
リリカ
「干すの手伝います!」
ストラッツ
「…………ん、それ終わったら来い。」
リリカ
「はい!」
外に出たら、あまりの眩しさでクラッとした。
太陽が元気に顔を出す雲ひとつない青空で、軽やかに吹く風が気持ちいい。
さっきの洗濯で固まった身体を伸びをして解す。
ストラッツ
「来たか、シーツを干すからそっち持て。」
リリカ
「えーっと、こっちですか?」
ストラッツ
「そうそう、せーの…」
バサりとシーツが宙に舞って物干し竿にかかる。
リリカ
「上手くかかりました!」
ストラッツ
「よし、じゃあまた同じ作業だ。戻るぞ」
リリカ
「あ、はっはいっ、」
また戻ってきたけど…やっぱり居ない。
リリカ
「……あの、他には居ないんですか?洗濯する人…」
ストラッツ
「は?何言ってんだ。ずっとそこに居るだろ。」
リリカ
「……ぇ…………?」
ホラー?もしかしてストラッツさんにしか見えない霊的な何かとか居るんですか?怖いです!!なんですか?!!!
ストラッツ
「…ああ、”まだ”見えないのか。」
「ったく、早く着けてやれよ…シルヴィア、ヴィクトリア。」
って言った瞬間、両肩に何かが触れる感覚がすると…2人のメイドが現れた。
シルヴィア
「ウフフ…私たちを見るにはこのバッヂが必要なの。意地悪してごめんなさいね?」
ヴィクトリア
「お前が一生俺らの事が見えなくても、俺らは構わないけどなぁ〜?」
シルヴィア
「………」
ヴィクトリア
「イタっっっ、右頬つねんな!」
1人は純白の羽に黄金の輪っか。
もう1人は蝙蝠みたいな羽と黒の角。
天使と悪魔…?
リリカ
「うぇ、ぇぇえええぇぇえッッ?!!」
この驚きの声は多分…多分館を駆け巡ったと思う。
リリカ
「そんな…誰もいないかと思ったら居て…お化けかと思ったら天使と悪魔で…」
「ごめんなさい何が起こってるか分かりません!!!! 」
シルヴィア
「みーんな同じ反応するからいいのよ。慣れっこだわ。」
ヴィクトリア
「そーだそーだ。そこのストラッツもハトが豆鉄砲食らった顔してたぜ?マヌケ」
ストラッツ
「死ね」
ストラッツさんはヴィクトリアさんの顔を私から見て左寄りに蹴った。
ヴィクトリア
「だからいてぇって!!!お前ら俺の右の顔面に恨みあり過ぎだろ?!」
シルヴィア
「丁度やりやすい位置だからだと思うわよ。ウフフ。」
ヴィクトリア
「いやそもそもやるのがおかしい」
ストラッツ
「うるせぇお前が悪い」
ヴィクトリア
「ハァ?!?!!」
???
「ねえうるさいんだけど。静かにしてくださる?」
小さな…妖精?羽が生えていて、30センチくらいの背丈。浮いているからよくわからないけれど。
ストラッツ
「おいコラセイアまた遅刻しやがってコノヤロウ……」
セイア
「別に遅刻なんてしてないわ。セイアの起きる時間が10時だったってだけよ。そこからいつも通りにしたんだから…ほら、遅刻なんてしてないでしょ?」
ストラッツ
「意味わかんねぇよ!!!!」
かなり強めにテーブルを叩く。でも、上に置いてた物が揺れるだけでテーブル自体に大した損壊はなさそう。
セイア
「セイアのせいじゃないわよ。セイアのことが好きすぎる布団のせいよ。」
ストラッツ
「マジで何言ってんの????は?????」
セイア
「というか、貴女……」
宇宙猫状態のストラッツさんをスルーして私の目と鼻の先にやってくる。
リリカ
「?私ですか?」
セイア
「そうよ。新入り?」
リリカ
「あ、そうですっ。よろしくお願いします! 」
セイア
「……へぇ、私はセイア。見てわかる通り、妖精よ。よろしく」
リリカ
「妖精さんって見たことないので、不思議です!ホントに居るんですね!」
本当にいるなんて。もうとっくの昔に居なくなったものだと思っていた。
セイア
「…貴方もだいぶ不思議な方だとは思うわよ。」
リリカ
「?私は1番多い魔法使いですよ?」
セイア
「魔法使いの中でね。そのうち分かるわ。」
リリカ
「……そうですか……」
不思議な妖精…セイアさん。何が見えているのだろう?
『えー、お昼の時間だぞ〜っ!!少女たちよ、食堂に集うのだー!!!』
ハキハキとした大きな声が、館内を駆け巡る。
この声は料理長のキラさん。鬼のリーカルだそうです。
ストラッツ
「よし、各自お昼休憩な。13時30分までに戻ってこいよ。」
各々個性豊かな返事をして、食堂に向かった。
キラ
「よーく食べなさい少年少女よ!まあ少年は居ないが!ハッハッハ!!!」
キラさんは声がよく通る人です。料理長なのに服装は軍人さんで、ご主人様のご意向だそうです。
リリカ
「こんにちは、キラさん!」
キラ
「ん?ああ、こんにちは…リリカ少女。」
「今日はいい肉が手に入ったからハンバーグさ。野菜も一緒に練り込んであるから栄養もバッチリ!」
リリカ
「美味しそうです!いつもありがとうございます!!」
キラ
「あぁ…よくお食べ!」
キラさんやミッシェルさんに限らず、他の料理当番の人たちもみんなよくお食べ。と口を揃えて言います。
ご飯を無駄にしない為でしょうか?
陽もすっかり傾いて、オレンジに染まる空が綺麗な時間になりました。
そういえば、あの奥ってどうなってるんでしょう?
ゴミ捨て場か…それとも何も無いとか?
そっと、覗いて見ました。
リリカ
「ッッ…!!?」
血だらけの人が何人も倒れていました。
多分、もう死んでいて、ピクリとも動きません。
たった一人、白の服の裾を赤に染めて立っている人が…。
???
「……ン?」
リリカ
「ミッシェル…さん……?」
ミッシェル
「……やァ…リリカ。…見られちゃったネ…」
胡散臭いと思っていたのは本当だったのでしょう。特に焦る様子もなく、彼女はこちらを振り向いてニコニコとしています。
リリカ
「な、ん…で……」
誰であろうと、人を殺してはいけないはずです。どうして…?
ミッシェル
「…ねぇ、リリカ…この事は2人ノ秘密デ…」
ゆっくりと、いえ、ゆっくりではないと思うのですが、近付くミッシェルさんが怖くて怖くて…
ふつりとその後の記憶はありません……。
パチリと目を開けると、シルヴィアさんとミッシェルさんと…知らない顔が2つ、私を見ていました。
リリカ
「…いたた…頭が痛いです…」
変な頭痛が襲ってきました。
なにか、忘れているような…?
???
「……!………」
???
「動イチャ……ダメ…………ダッテ…」
その言葉で動きを止める。
中途半端な体勢で止まってしまったから腕が疲れた。
シルヴィア
「別に、楽な体勢に変えるくらいなら構わないわよ。」
そう言われて、少し身体を起こした体勢になる。
リリカ
「…あの、この人たちは…?」
ミッシェル
「医療班の人達ヨー。リリカが倒れてたから連れてきたノ。」
リリカ
「あ、ありがとうございます…。」
シルヴィア
「こっちのメガネがイトメよ。それで、そっちが…」
マリット
「人形ノ…マリット……。」
カタコトで、動く度にギイギイと鳴るマリットさん。本当に人形なんだ…。
イトメ
「………」
イトメさんの口は動くものの、声は発せられない。どうして?
マリット
「メガネッテ言ウナ…ッテ…怒ッテル…。」
シルヴィア
「メガネはメガネじゃない。ダメ?」
ミッシェル
「悪口っぽくなるシ…」
リリカ
「あの…なんで喋らないんですか?」
イトメ
「………」
マリット
「元人魚ダカラ……悪イ人間ニ騙サレテ、足ヲ手ニ入レル代ワリに…喋レナクナッタ…。」
リリカ
「うぇ…ご、ごめんなさい、私…失礼なこと…」
シルヴィア
「まぁまぁ、いいのよ。このぐらい。ねえ?」
イトメさんがこくんと頷く。
リリカ
「…ありがとうございます……。 」
いいのかな…?
やっぱり、何か忘れてる気がする。
おわり。
おつれか!!
コメント
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ストラッツちゃんすき。 軍服料理長かぁ…けっこうよき
軍服とは御主人様もやるなぁ……って……