…わたしは台座にもたれかかっていた。何で死んでいない?傍からヴォルデモートと…ダンブルドア!?が戦っていた。呪文から出される魔力がなぜかわかった。軌道になってる…不意に手をつくとふわっとした何かに触れた。?!?尻尾…!?何でこんなものが…?!?何か動物がいるのかと思ったが、違った。何をどう考えても自分から生えている。まさかと思い、頭に手をやると…よかった。頭には何も生えていない。うっかり、一年生の時にやった動物化薬の副作用かと思った。尻尾は狐のようにふわふわで、2、3本生えていた。化け物かよ。見られると思うと恥ずかしくなり、着ていたパーカーを腰に巻いて見えないようにした。うまく隠したと我ながら思う。そう思いながら台座から出るとヴォルデモートとダンブルドアは目を見張ってこっちを見た。死んでいると思ったのか?ヴォルデモートはすかさず杖を構えた。すると杖とヴォルデモートの体からさも怪しげなモヤモヤが見え始めた。やがてそのモヤは自分に伸びてきたのでわたしは走って逃げた。間一髪、あれは死の呪いだったみたいだ。なんでわかったのだろう?ヴォルデモートが消えた。諦めたのか?と、ハリーが突然倒れ込んだ。『ハリー!?』わたしが駆け寄ろうとすると、ダンブルドアはわたしの手を掴んだ。『先生!?』驚いて声を出すとダンブルドアは首を振った。ハリーの口から、この世のものとは思えないほど低い声が出た。『俺様を殺せ、ダンブルドア…死が何者でもないなら、この子を殺せ…』わたしはダンブルドアを振り切り、ハリーに向かって駆け出した。『アリス、やめるのじゃ!』ダンブルドアの言うことには耳を貸さず、わたしはハリーを抱きしめた。『…!なっ貴様…このっ…』ハリー…いや、ハリーを操っているヴォルデモートがたじろいでいる。友情…愛が苦手、わからないのか。本当にキミは可哀想だ。ふっと、冷たかったハリーの体が温かみを取り戻した。『ハリー…?』体を支え持ちながらわたしは息だけの声で聞いた。他にもざわめきが聞こえたため、後ろを振り返るとファッジが立ち尽くし、目を見張っていた。今見えた光景が信じられないのか。ダンブルドアは話をしていたようで、わたしたちに先に帰るように言った。移動キーを手に取り、ホグワーツにぐんぐん帰っていく…戻ると、ハリーとは別の場所にワープさせられたようで、ここは自分の部屋だった。そのまま、ベットに倒れ込んでいた。