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📄「セラ夫!そこを右に。1人居ます。」
🦉🎻「了解。」
暗い、入り組んだ道に無数の足音。
それから少し経っただろうか。
鈍い音が聞こえる。
それと同時にバタッと何かが倒れる音がした。
やがて、血の匂いが鼻を突く。
📄「これで任務終了です。お疲れ様でした。 」
🦉🎻「凪ちゃんもお疲れ様!」
📄「………貴方、また私の言う事を聞かずに敵陣に突っ込んだでしょ!!」
🦉🎻「もしかして…、怒ってる?」
📄「そりゃあ怒ってますよ! 」
📄「『無理をするな』とどれくらい言ったら分かるんですか!?!?」
グイッと目の前にハンカチが現れる。
📄「返り血が酷いので、これで拭いて下さい。」
🦉🎻「ん、ありがとう。」
📄「ほんっとに、全く!!」
🦉🎻「でも、人質の子に怪我は無かったよ。」
📄「でも、貴方は危険な目に会いました。」
前もこんな感じになった。
その時は今回みたいに、そんなに酷くなかったけれど。
🦉🎻「まぁ、俺が怪我したり、死んだりしたとしても、人質の子に怪我が無くて良かったよ。」
🦉🎻「それに、それが償いにもなるから。」
🦉🎻「俺はどうなっても別に…。」
パチンッ!!!!!!!!!!!!
肌が弾ける、鈍い音が裏路地に響き渡る。
微かにジンと痛む頬はほんの少し腫れていた。
📄「貴方は!もっと自分の命を大切にして下さい!!!」
📄「それが『償い』だとしても!!!」
はっと思い凪ちゃんの顔を見る。
食いしばって、今にも目から大粒の涙が零れそうだった。
📄「ッ…すいません。今日はもう帰ります。」
🦉🎻「えっ、ちょ、凪ちゃん!!!」
振り向いた時には彼はもう居なかった。
🦉🎻「ただいま〜…。」
上着や荷物を床に放り、ドサッとソファに倒れこんだ。
『無理するな。』
凪ちゃんも、雲雀も、奏斗も。
みんな同じ事を言う。
でも、俺は償わなければいけない。
そのためには無理をするしかないと思った。
俺がやってしまった事は言葉に表せない程酷いから。
何人もの人を、殺してきたのだから。
だから、自分が傷付いても、壊れても、死にそうでも、死んでも、任務を遂行する。
だって、自分がしてきた事と向き合わなければ行けないから。
そして償わなければいけないから。
これがきっと正解なんだ。
これが、最適解なんだ。
『それ以外に何をしたら償えるか?』と問うが、これ以外の答えが頭に浮かばない。
🦉🎻「………………………。」
色んな感情と考えが頭をぐるぐると鬱陶しく駆け回る。
そうしている内に、いつの間にか瞼が重くなって、眠ってしまった。