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声に出していないセリフ ○○
声に出しているセリフ 「○○」
誰が話しているかは出来る限り分かるようにします。
土曜日も日曜日も、金曜の夜と同じことを呟いてから朝を待って、軽く用意をして家を出た。
ガラッ。
同じように教室に入ると、何故か驚いた目をしてこっちを見ている彼女が目に付いた。
心映と何かを話している…?
そう思っていると、引き留める様子の心映を振りほどいて、彼女がこちらにやってきた。
「おはようございますです。いきなり悪いのですが、教室を間違えていませんか…?」
…何を言っているのだろうか。彼女は。
『君がいるんだから間違えている訳がない』と口にしそうになるのを抑えて助けを求めると、やはり心映はこちらへやってきた。
「あのね、ちょっと来て」
そう言われたので、とりあえず鞄だけ置いてついて行く。
そこで言われたのは、僕には到底理解が出来なくて、内容なんて覚えていない。
どうやって教室まで戻ったのかも分からない中で授業を受けていると、休み時間の度に彼女は話しかけてくる。
-「なんで皆と仲良く出来てるんですか?私が知らないだけですか?」
-「もしかして私が忘れてしまったのでしょうか。それなら早く教えてください。」
-「何故目を逸らすのです?質問に答えてください!」
こんな感じで今日分かったことをまとめると、どうやら僕のことを完全に忘れているらしい。彼女だけが。軽く呟いた言葉通りになるとは…。もしかしてこれは夢なのだろうか?
_それなら、やり直すことが出来るかもしれない。
淡い期待を胸に、今日は家に帰った。
そういえば、今日はずっと堅い感じで話しかけられていたな。仲良い人以外にはあんな口調だって言ってた気が…。また距離を縮めないと。あの口調は調子が狂って仕方がない。
そうやって思考をぐるぐると巡らせていると、携帯の通知が鳴った。
通知の元である携帯を手に取り画面を見ると、晴仁だった。安心してメッセージアプリを開き、返信を返そうとする。だけど内容が…
<今日あいつの様子おかしかったな。>
<お前は大丈夫か?>
まぁいいか。そう思い返信を返す。
<大丈夫。少し疲れたけどね。>
<そうか。そりゃお疲れ様だわ>
<お前、テンション低いね。どうした?>
<ぶっちゃけるとこっちも混乱中。>
<あいつがお前にあの口調使っててビビった。>
…まぁ、そりゃそうか。
<そっちもお疲れ。>
<お前には普通なんだし気にしなくていいだろ。>
<そうなんだけどなぁ…調子が狂うんだよ。>
それはとてもわかる。
<とりあえずお互い落ち着こう。>
<きっとすぐに戻るよ。>
<だよな。すまん。>
終わった会話に疲弊し、メッセージアプリを閉じた。携帯を充電しようとして移動すると画面を誤タップしたらしく、写真フォルダが開かれている。
それを見た瞬間、携帯を放り投げて横になる。
いくら僕が願ったからって…酷いだろ。
-写真フォルダの、幸せそうな僕らの写真だったはずなのに、そこには僕しか映っていなかった。