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「気のせいですよね…」
バッグをぎゅっと握りしめ、日本はつぶやく。
さっきから、だれかにつけられているような気がしてならない。 コンビニの角を曲がりながら、チラリと振り返る。
「あっ、あの男性です」
思わず声が漏れた。校門を出たところに立っていた、黒い服をきてサングラスをかけた男が歩いているのが目に入った。怖くなった日本はバッグを脇に抱えてかけだした。
(どうしましょう。今日は委員会があったので、一人で帰ろうとしたのですが。誰かいませんか。)
そんなことを考えながら、走っていると、公園の前まできた。
「ここまで来れば、もう大丈夫でしょう」
息を弾ませながら後ろを見た途端ブルッと震え た。十メートルほど離れたところに黒服の男が立って、じっとこっちを見ていた。
「やっぱり狙われています」
日本は、急いでスマホを取り出し日帝に電話をかけた。
「もしもし日帝さん!!」
「そんなに慌てて何があったんだ」
「お願いします。今すぐ迎えに来てください」
「わかっt おいっ!米帝貴様なにをすr」
そういうと電話が切れた。がっかりして救いの声が聞こえなくなったスマホを見つめる。諦めて、あたりの様子をうかがった。ところが、さっきまでいた黒服の男の姿が見えない。
「やっぱり気のせいだったんでしょうか」
ほっとして、外に出たとき。どこに隠れていたのか、黒服の男がススッと近づいたかと思うと、いきなり、刃物を振り上げ襲ってきた。
「ア゛ーー」
悲鳴をあげた、その声で目がさめた。
「ふーっ。夢だったのですか」
ベッドの上で大きなため息をついたとき、
「どうしたの、大声なんか出して」
にゃぽんが心配そうな顔をして部屋に入って来た。
* * *
とても怖い夢を見たせいなのか、学校もなんとなくだるく、先生の話が頭に入らない。それでも委員会も頑張り、ようやく帰り路についた。校門を出たところで、はっと息を呑んだ。道の脇に、黒い服を着てサングラスをかけた男が立っていたのだ。
(まさか)
一瞬いやな予感がしたが、そのまま家へ向かった。脇目も振らず、いつもより早足で歩いた。でも、なんだか後ろが気がかりだ。公園まで来たところで、立ち止まって、後ろを振り返った日本は、
「嘘ですよね!」
と叫んで、すぐにスマホを取り出した。
「もしもし日帝さん!!」
「そんなに慌てて何があったんだ」
「お願いします。今すぐ迎えに来てください」
「体調でも悪いのか?」
「変な男性にあとを付けられているみたいなんです」
「いまどこだ?」
「〇〇公園の前です」
「わかった。今すぐ行くからそこで大人しく待っていろ」
10分ほどで日帝さんがきた。
「日帝さーん!」
と声をかけて、日本が日帝に抱きつくと、物陰からススッと近づいた黒服の男が低い声でつぶやいた。
「なんだ。夢と違うじゃないか」